記事入力 : 2013/05/19 06:15
【コラム】対中外交で肝心の中国語力に懸念
中国外務省の洪磊副報道局長は、甲高く澄んだ声色のせいで冷たいというイメージがある。尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題などで公式の立場を表明する際には好戦的という印象まで与える。しかし、プライベートの場で会うと、典型的な中国南方出身といえるソフトな男性だ。自分に似て背が高いという中学生の息子はバスケットボールがうまいと自慢する子煩悩さも見せる。
中国政府のシンクタンクに所属する学者や研究員は、公式の席上で頻繁に会って親しくなっても、韓半島(朝鮮半島)問題などデリケートな問題ではなかなか本音を語らない。個別に食事に招いても、あいまいな口調に終始することが多い。しかし、数年間にわたって交流し、信頼関係を積み上げれば話は別だ。本音だけでなく、助言まで聞くことができる。
対中外交も同じだ。政治、経済、文化など各分野で中国の主流社会と親交を深め、親密な関係を築くことが外交にとって重要だ。そして、その基礎となるのは言語だ。
昨年10月、国会外交通商統一委員会が在中韓国大使館に対する国政監査を行った際、外交官の外国語能力が争点となった。元脱北者の趙明哲(チョ・ミョンチョル)議員は外交部(省に相当)の職員の中国語能力に関する資料提出を要求。これに対し、大使館側は「外交官の言語能力に関する資料は本部で管理しており、われわれは把握できない」と逃げ腰の答弁だった。
事実、大使館としては話せない事情がある。在中韓国大使館は韓国の在外公館でも最大規模を誇るが、通訳なしで中国人と交流できるほどの専門性を持つ外交官は20-30%にすぎない。相当数の外交官が通訳に頼って意思疎通を行っている。数少ない通訳要員をめぐり、外交官同士が神経戦を繰り広げることさえある。
中国との国交正常化から20年が過ぎても、こうした現状が存在することには複合的な要因がある。米国や日本関連の業務を志望する傾向が長期にわたり続き、中国専門のエリート外交官の数があまりにも不足していることが最大の要因だ。最近は中国が米国を上回る赴任希望先として浮上したが、それでも「中国でも勤務した」という経歴を残すために来た非専門家が多数だ。3年ごとに前任と無関係の地域に異動になる現在の職業外交官システムでは専門家の養成に限界があるとの指摘もある。
韓国とは異なり、米国や中国は外交官の専門性確保に力を入れている。在韓中国大使館は職員の80%が韓国語を話す。赴任前に充実した研修を受け、本省に戻っても韓国関連の業務に従事する仕組みになっている。在中米国大使館も華人出身で台湾、香港などで勤務経験があるロバート・ワン公使を大使館のナンバー2に据えて、専門性を補っている。
韓国の外交環境は急速に変化している。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領ですら中国語で中国政府幹部と交流し、就任後に米国の次に訪中を計画するほど、中国は韓国にとって重要な国となった。最も基本的な言語問題すら解決できなければ、韓国の対中外交に未来はない。
北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
朝鮮系中国人活用すればヨロし!