記事入力 : 2013/06/23 10:06
「南北統一はドイツ統一よりはるかに困難」
ドイツ統一を経験したコンサルティング社社長
南北統一に関してアドバイス
欧州最大の経営戦略コンサルティング会社、ローランド・ベルガー社は、1990年から97年にかけて、ドイツ政府の統一プロセスをコンサルティングした。当時新参のコンサルタントだったブルクハルト・シュウェンカー社長は、韓国の統一について特に助言したいことが多いと語った。
-ドイツ統一当時の役割はどういうものだったか。
「1989年6月に米国のレーガン大統領(当時)が、ブランデンブルク門前で『ゴルバチョフ書記長、すぐにこの壁を壊してください』と叫んだ光景をリアルに記憶している。西ドイツで暮らしていた私は痛快だったが『本当にそんなことが可能だろうか』とも思った。わずか5カ月後、ベルリンの壁は本当に崩れた。統一は、このようにある日突然実現した。われわれは慌てて資料を集め、まず最初に東ドイツの産業や企業の財政状態を調査した。私は、東ドイツの企業を西ドイツ経済に統合する作業に集中した。統一後は、競争力のある会社、構造調整に取り組めば競争力を持てる会社、到底見込みがない会社などに分類した。東ドイツ系の企業約1000社の構造調整を直接支援した」
-何が最も大変だったか。
「資本主義世界の労働スタイルや現実になじみがなかった東ドイツの人々と、現実との橋渡しをするのが非常に大変だった。合併や構造調整の対象になった東ドイツ企業の社員に『統一ドイツの未来は明るい。経済状態も良くなるだろう。その前に少し試練があるので、みんな腕まくりして頑張ろう』と言って希望を与える任務を引き受けた。1000社を超える企業の社員・役員とその家族に、前向きなビジョンを示してやらねばならなかった」
-1989年の東西ドイツと2013年の韓国・北朝鮮の違いは?
「1989年の西ドイツの人口は6300万人、東ドイツの人口は1600万人で、3倍以上の差があった。今の韓国は5000万人、北朝鮮は2500万人で、倍くらいの差だ。また89年の時点で、西ドイツの国民1人当たりのGDP(国内総生産)は1万5000ドル(現在のレートで約141万円、以下同じ)、東ドイツはその半分程度だった。当時の東ドイツは、ソ連の衛星国の中で最もうまくいっていた。ところが現在の韓国と北朝鮮の経済格差は、少なくとも30倍はある。北朝鮮が発表した統計を信用した場合の話だ。換言すると、北朝鮮は東ドイツより人口が多いのに、経済面でははるかに劣る。ドイツ統一の費用は、これまでに1兆8000億ユーロ(約226兆円)程度掛かったと推定されている。統一のプロセスはまだ75%程度しか進んでいない。東ドイツ地域は、まだ西ドイツ地域に比べ生産性・賃金などの面で大差があり、かなり遅れている」
-韓国政府に統一関連の助言をするとしたら。
「統一は、予測するのも準備するのも難しいが、必ず起こると信じて備えておくべきだ。完全に準備するのはもとより不可能なので、幾つかのシナリオを準備すべき。ドイツ政府に一つミスがあったとすれば、それは東ドイツ住民に対し、西ドイツ住民と同じ水準の生活をすぐに享受できると安易に約束したことだ。まずいことに、今もなおそのレベルに達していない。統一直後、東ドイツの住民約200万人が西側に移住した。北朝鮮から南下してくる人の数は、これよりはるかに多いだろう。どうにかして備えておかねばならない。経済格差に関しては、北朝鮮住民が受ける心理的ショックを緩和できる仕組みを準備すべき。統一には巨額の資金と長い時間が必要、という事実を念頭に置いて、韓国経済の規模を拡大させていくべきだ」
-アジアでの統一韓国は、欧州での統一ドイツくらいに強力な国になれるか。
「統一韓国が主要な役割を果たすことを欧州も望んでいる。今のアジアを見ると、韓国はほぼ唯一の『真の民主主義国』だ。そこに可能性がある。統一韓国は、7500万の人口を持つ完全な本物の民主主義国として、相応の経済規模を実現できる。既に韓国は、地域内の重要なプレーヤーになっているだけに、可能性は十分あると思う」
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
