【スポーツ異聞】暴走を始めた韓国フィギュア報道 「浅田はキム・ヨナの敵ではない」「演技力と精神力も崩壊」とは…
2014.1.13 07:00 (1/3ページ)[フィギュアスケート]
2010年バンクーバー五輪のフィギュアスケート女子で表彰式に臨む(左から)銀メダルの浅田真央、金メダルのキム・ヨナ(韓国)と銅メダルのジョアニー・ロシェット(カナダ)=パシフィックコロシアム(塩浦孝明撮影)
ソチ五輪まで1カ月を切り、選手以上に周囲が、早くもヒートアップし始めている。前回バンクーバー五輪女子フィギュアで、浅田真央(銀メダル)を破って金メダルを獲得したキム・ヨナの母国、韓国では1月7日に東亜日報(電子版)が「浅田真央、もはやキム・ヨナのライバルではない」と刺激的な見出しの記事を配信した。1月5日まで実施された韓国選手権でキム・ヨナが227・86点の高得点で大会2連覇したことを受けたもので、日本のスポーツ紙の見出しが「複雑で心配そうな心境をよく示している」などと解説している。
特に挑発的なのが「韓国内のフィギュア専門家は『浅田はもうキム・ヨナのライバルではない』と口を揃える」と紹介したくだり。審判員の話として「だんだん水準の差が広がっている。ジャンプや身動きなど、全ての部分でレベルが違う」とまであおり、ついには「ジャンプ一つを見てもキム・ヨナがプロバレーボール選手のようなジャンプだとすると、浅田は学生のジャンプだ」とバッサリなのだ。
その根拠が4年前のバンクーバー五輪という。SP(ショートプログラム)で、浅田がトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を成功させるなど欠点のない演技で73・78点を稼いでも、キム・ヨナはそれを上回る78・50点を獲得。最終的に20点以上の差(205・50点対228・56点)をつけたと締めくくった。
しかし、それは4年前の話。浅田は今季グランプリ(GP)シリーズで3戦3勝を挙げている。ところが中央日報は唯一優勝を逃し3位に終わった全日本選手権を槍玉に挙げ、「演技力と精神力も崩壊…自身のわなにはまる浅田真央」(電子版)と、かなり失礼な見出しをつけている。
浅田は全日本の2週間前のGPファイナル前に発症した腰痛が原因で調整が大幅に遅れていた。それでも雪辱を期す五輪本番直前の大会だけに、悔しかっただろうし不甲斐ない気持ちになったに違いない。
だからといって、「演技力も精神力も崩壊」はないだろう。浅田真央とキム・ヨナにはジュニア時代から絶えず比較されてきた因縁がある。恐らく今回のソチ五輪が2人にとっての集大成の舞台になるはずだ。もう少し静かに見守れないものか。
当のキム・ヨナは「彼女にライバル意識を持っていた。浅田真央がいなかったら今の私もなかった」と感謝を込めて尊重している。「互いに動機づけになり、刺激にもなった」という2人の最後の戦いなのだ。
日韓で世界一を争うといえば、かつてWBCでの日韓戦でも場外がヒートアップした。団体戦だから許せる面もあったが、個人で競い合うフィギュアは別だ。選手のハートは極めてナーバスになっている。どちらが勝つにしても、刺激的に選手本人をこきおろす論調は避けるべきだが、果たして、あの国に期待できるか。
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/140113/oth14011307000002-n1.htm