何かと話題のお遍路さんだけど、私の祖父の出身地が徳島県南部で父も戦中戦後はそこで育ったので、四国には多少の縁がある。三十年ほど前にこのお遍路のもとになった空海の映画が出来たので、祖母と観に行ったことがある。
おばあちゃんぐらいの歳になるとこうした宗教的な映画を観るようになるのかと半ば感心していたのだが、実は主演の北大路欣也が目当てであることは後日知らされた。祖母は相当な面食いなのだ。その血は私にも受け継がれているはずだ。
映画の内容はよく覚えていないが、弘法大師が苦労して唐の仏教を日本に広めたというような話だったはずだ。だがそのラストシーンはよく覚えている。
舞台は急に現代日本になり、善男善女がお遍路道を歩いているのだが、よく見ると北大路欣也が演じる一人の男性も混じっているのだ。お遍路道を行くときは決して一人ではなく、こうして弘法大師様がつねについていらっしゃいます。そんなエンディングだった。韓国人女性が貼りまくった不愉快なステッカーの同行二人も、自分と弘法大師の二人という意味だ。発音も「どうぎょうににん」が正しい。ドンヘンイインなんて貼るなと言いたい。
私はポップコーン食べながら眺めていたのだが、映画館の椅子に正座していた祖母はそのシーンで涙を浮かべながら合掌していた。
祖母の面食いは受け継いだが、あの敬虔さはまだ無い。

べつに、韓国にひろげなくてもいいですよ…