中国 公共投資に回帰、インフラ乱造 バブル再燃懸念
2014.7.17 17:05中国の習近平政権は公共投資による“ハコもの”に経済成長を依存する旧来の路線に戻ったようだ。4~6月期の国内総生産(GDP)成長率を前年同 期比7・5%に引き上げた主要因は、内陸部での鉄道建設や道路整備、都市再開発など、小ぶりながらインフラ建設によるところが大きかった。
昨年秋からの成長鈍化で不動産の市況が下落し始めたことに反発を強める国内の既得権益層に、「習指導部が公共投資の積み増しで配慮を示した」(中国の有識者)との見方がある。
2008年のリーマン・ショックを受け、当時の胡錦濤指導部が打ち出した4兆元(現在のレートで約65兆円)の緊急経済対策が、不動産の市況高騰などバブルの副作用を生んでいた。
これに対し12年秋に引き継いだ習指導部は、バブル退治と安定成長へ軟着陸を目指したものの、今年に入って不動産の下落が顕著となり、不動産が担保の金融商品が多い「影の銀行(シャドーバンキング)」の破綻懸念が強まっている。
江沢民元国家主席(元総書記)など、中国共産党の長老の姿もチラつく石油閥など既得権益層は、習指導部による腐敗取り締まりや倹約令への反発もあり、不動産の下落抑制と公共投資の拡大を習指導部に求めて圧力をかけたとみられる。
今回のGDP成長率の持ち直しに加え、習指導部は月内に「経済工作会議」を開き、新たな景気対策を打ち出すとの観測がある。同会議は毎年12月に 行われるため、この時期の開催は異例。8月に河北省の北戴河で党長老も参加して行われる非公式の会議を前に、一定の譲歩を示すようだ。
ただ、安易な公共投資への回帰は利益を生まないインフラを乱造して影の銀行問題を膨張させ、バブルの再燃もあおりかねない。そうなれば、日本など周辺国にも経済混乱を“輸出”することになる。(上海 河崎真澄)