社説:原子力小委 動画非公開は教訓軽視
毎日新聞 2014年08月20日 02時40分
福島第1原発過酷事故の大きな教訓は、原子力関係者の閉鎖的な体質が原発の危険性の過小評価を招いたことだ。外部からの健全な批判を受け入れず、それが国の政策にもリスク評価にも大きく影響してしまった。この教訓を生かすには、政策決定やリスク評価の過程を、できる限り公開し、情報の透明性を高めることが重要だ。
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事故後に設置された原子力規制委員会は、委員会そのものや記者会見を動画でライブ中継し、終了後もネット上で公開している。国のエネルギー基本計画を検討した経済産業省の審議会も同様だ。外部の専門家の間にも議論を広げるだけでなく、一般の人の関心を高める手段としても評価できる。
ところが、6月から開催されている経産省・総合資源エネルギー調査会の「原子力小委員会」は、傍聴は認めるものの、動画による公開はしていない。委員からは繰り返し公開を求める声が上がっているが、今月7日に開催された第4回会合でも実現されていない。
この小委は4月に閣議決定されたエネルギー基本計画に基づき、原子力分野の具体的方針を検討する目的で設置された。福島の復興・再生や原子力依存度の低減、人材育成、核燃料サイクル政策などがテーマとなっている。その議論は各電源の割合を示すエネルギーミックスの決定にも関係してくる。
まさに、今後の具体的な原子力政策を左右する会議であり、透明性を高めて議論することが欠かせない。
一般傍聴や議事録公開で十分という主張があるかもしれない。だが、開催日に会場にこられる人は国民の一握りに過ぎない。1週間程度で議事要旨は公開されるが、発言者が誰かわからない。議事録が出るまでには1カ月近くかかり、その間に次の会合が開催されているのが実情だ。
これでは、国民が議論の過程を追うことができない。音声だけの公開という妥協案もあるようだが、誰が発言しているかがわかりにくく、情報がそぎ落とされてしまう。
動画非公開の理由について小委の委員長は「意見を言いにくい人がいる」と述べている。しかし、原子力政策は原発事故以降の日本のエネルギー政策の行方に関わる重要事項だ。国民の関心も高い。ここで「動画中継されたら本音が言えない」とすれば、この会議の重要性についても、議論の透明性についても、理解が不足しているのではないだろうか。
第4回の会合で事務局は、公開の重要性を認めた上で「そのための手立ての改善を検討したい」と述べている。早急に方針を改め、動画公開を進めてほしい。
http://mainichi.jp/opinion/news/20140820k0000m070155000c.html
今朝も
毎日は
読む価値 <;`∀´>