最近の原油安でドイツ銀行からのサウジアラビアの資金引き揚げ、フォルクスワーゲンの不正、政府による不良債権肩代わりでドイツ銀行が破綻の危機に直面している。
イギリスはドイツ銀行破綻による影響を避けるためだろう。
ドイツで最大の金融機関・ドイツ銀行の経営が傾いている。しかしこれほど大きな金融機関が破綻すると、かつてのリーマンショックのような金融危機が起こることにもなりかねない。
訴訟費用や減損で巨額損失
ドイツ銀行はドイツにある銀行で「ドイツ」と名前がついているが、中央銀行ではない。これは珍しいケースと言える。日本の中央銀行は「日本銀行」だし、他にも国の中央銀行の名前は、国の名前+銀行となっているケースが多い。しかしドイツ銀行は違う。もともとドイツは現在ではユーロ圏の中にあるので、中央銀行はECBになる。経済大国ドイツの中でも最大の銀行であり、かつ世界的に見てもかなり広範囲に金融業務を行っている。
しかしドイツ銀行は、最近になって経営難が鮮明になってきている。2015年通期の決算はまだ確定していないが、67億ユーロ(約8500億円)の純損失になるとの見通しだ。2015年の中では特に第3四半期(7~9月期)の損失が大きく、この時期に60億ユーロ(約7600億円)もの損失を計上した。
ではなぜこれほどの損失になったのか?まず巨額の減損処理が発生したことがある。そして世界中で数千件とも言われる訴訟を起こされているために、訴訟費用も10億ユーロ(約1270億円)以上と膨大になった。
ドイツ銀行はどのような訴訟を起こされているのか?ドイツ銀行は、LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)を不正に操作していた事件を起こした。この事件はドイツ銀行も不正をすでに認め、去年の春に英米の金融当局に25億ドル(約2900億円)もの制裁金を支払うことで合意している。
ただそれだけではLIBORの問題は終わらず、LIBORの操作によって損失を被った企業から多くの訴えを起こされている。またマネーロンダリング関連でも多くの訴訟を抱えている。マネーロンダリングとは日本語で「資金洗浄」を意味する言葉で、犯罪などで得たお金を正当な手段で得たお金に見せかけるために送金などをする行為だ。
ドイツ銀行の株は業績が悪化しているため、当然ながら弱い動きを続けている。ドイツ銀行株はリーマンショック前のピークには100ユーロ付近にあった。それがリーマンショック後には一時16ユーロ前後まで下落。
リーマン後の2009年から現在まで6年あまり、業績のいい企業の株価は伸び続けてきた。しかしドイツ銀行の場合、2010年に50ユーロまで回復したがその後は上昇せず5年以上軟調な動きに。今年になってさらに下落が加速し、1月21日にはついに16ユーロ台をつけリーマン後の最安値レベルになった。
ドイツは去年以来大変な事態が続いている。自動車のフォルクスワーゲンは排ガス規制逃れ問題が発覚し、また難民問題も重なっている。そこに来てドイツ銀行の経営難も浮上し、ドイツはさらに厳しい状況になっていくだろう。
http://www.iforex.jpn.com/news/%E7%B5%8C%E5%96%B6%E9%9B%A3%E3%81%AE%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E9%8A%80%E8%A1%8C%E3%81%8C%E7%A0%B4%E7%B6%BB%E3%81%97%E3%81%9F%E3%82%89%E6%96%B0%E3%81%9F%E3%81%AA%E9%87%91%E8%9E%8D%E5%8D%B1%E6%A9%9F%E3%82%82%EF%BC%9F-3867