ハーグ裁定後の南シナ海はどうなる? 藤井厳喜氏「中国は再び侵略行為に出る」 (1/2ページ)
2016.07.12

フィリピンでは「中国は出ていけ」と抗議行動も=11日(ロイター)【拡大】
南シナ海で覇権をむき出しにする隣国に痛烈な判断が下る-。中国の領有権主張は国際法に反するとして、フィリピンが申し立てた仲裁裁判で、オラン
ダ・ハーグの仲裁裁判所が12日に裁定を示す。中国に不利な内容になるとみられることから、習近平国家主席率いる隣国は、どんな裁定が出ても「紙くずだ」
と無視する構えでいる。専門家は「裁定を受けていったんは様子見するが、中国は再び侵略行為に出る」と指摘、警戒は怠れない。
中国は南シナ海の大半を囲い込む「九段線」を根拠に、人工島造成など軍事拠点化を進めてきた。
仲裁判断では、この九段線について、どのような見解が示されるか注目されるほか、中国が実効支配する岩礁などが条約で定義される「島」と認められるかも焦
点。いずれも島ではないと判断された場合、排他的経済水域(EEZ)が発生しないため、中国が南シナ海で広大な権益を主張する国際法上の根拠が揺らぐこと
になる。
フィリピンは2013年1月、仲裁手続きを申し立て、中国は取り下げを求めてきた。だが、仲裁裁判所は15年10月、申し立て内容の一部について管轄権を有すると判断し、オランダ・ハーグで審理を進めた。
中国はこの間、南シナ海の岩礁で大規模な埋め立てを行うなど蛮行を繰り返し、漁業関係者との小競り合いなども招いてきた。
最近では、11日付のベトナム国営各紙によると、パラセル(中国名・西沙)諸島付近を航行中のベトナム漁船が9日、中国船2隻の体当たりを受け、沈没。体当たりした中国船は近くを航行していた別のベトナム漁船が乗組員を救助しようとするのを妨害したという。
国際政治学者の藤井厳喜氏は「中国が議長国となる主要20カ国・地域(G20)首脳会議が9月に迫っており、仲裁裁判所が中国に不利な判断を下しても、そ
の直後は軍事的には積極的行動を控えるだろう。だが、しばらくすれば再び、南シナ海における拡張主義的な侵略行為を開始するはずだ」と指摘する。
「中国はオバマ大統領が在任中の米国は『何もしてこない』と踏んでおり、今は南シナ海は中国の領土だという主張を既成事実化させる好機とみている。尖閣諸
島も“風前のともしび”で、日本は中国軍機が防空識別圏内に入ってきても追い出せなかった。参院選ではこの問題が大きく取り上げられることはなく、状況は
今後さらに悪化していく可能性が高い」(藤井氏)
蛮行を改めさせる術が必要だ。
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