【サムスン欠陥スマホ】米政府が機内持ち込み禁止令 罰金や刑事罰も 「死ぬほど怖かった」と被害者、サムスンの説明不足に不信感も
【ワシントン=小雲規生】韓国サムスン電子の新型スマートフォン「ギャラクシーノート7」の発煙・発火事故が相次いでいる問題で、米運輸省は14日、米国内で発着する航空機へのノート7の持ち込みなどを禁止する緊急命令を発表した。
米国の消費者の間では、重大事故につながりかねないノート7に対する不安が噴出している。
緊急命令に基づく措置は米東部時間15日正午(日本時間16日午前1時)から実施。乗客がノート7を持ち込もうとした場合は没収の上、罰金が科せられる。また、乗客が荷物にノート7を入れて預けた場合、重大事故につながる危険性が高まるとして刑事罰に問われる可能性もある。
米主要メディアはノート7のトラブルで被害にあった利用者の声を相次いで報じている。
「しばらくの間は死ぬほど怖かった」
ケンタッキー州ニコラスビルのマイケル・クラリングさんは地元テレビ局の取材に、自宅の寝室がノート7から出た煙で満たされたときの恐怖を振り返った。
事故があったのは4日午前4時ごろ。ノート7は充電器につながれていなかったが、突然燃え始め、煙を吹き出した。就寝中だったクラリングさんは化学薬品のような臭いで目を覚まし、病院では急性気管支炎と診断された。
NBCテレビは11日朝の人気番組で、クラリングさんら発煙や発火の被害にあった4人の証言を放送。ウォールストリート・ジャーナル紙も12日付の紙面で、発火で本体が溶けるなどしたノート7の写真を大きく掲載し、サムスンブランドの将来に警鐘を鳴らした。
サムスンは8月、アップルの新型iPhone(アイフォーン)の対抗機種としてノート7を発売したが、直後から米韓など約10カ国でバッテリーからの発煙や発火などの報告が続出。サムスンは9月、出荷済みの約250万台のリコール(回収・無償修理)を発表したが、交換した製品でも事故が起き、今月11日にノート7の生産・販売停止を発表した。米国では190万台がリコール対象で、これまでに96件のトラブルが報告されている。
米国内では、サムスンが問題の背景について詳しい説明をしていないことへの不信感が強く、米有力消費者団体誌「コンシューマー・リポート」は13日の声明で、「サムスンは消費者への情報提供に積極的になるべきだ」と批判した。