◆高性能¥の代名詞
炭素繊維と樹脂を組み合わせてより高機能¥な素材を生み出す炭素繊維複合材料は、高性能¥繊維の代名詞と
いわれる。この分野では東レ、帝人傘下の東邦テナックス(東京都千代田区)、三菱レイヨンの国内3社が
世界で7割のシェアを握っており、各社とも景気回復後の需要拡大をにらんで積極的な研究開発投資を
続けている。
東レは今年4月、名古屋事業所に航空機・自動車向けの炭素繊維素材の技術開発拠点「A&A(オート
モーティブ・アンド・エアクラフト)センター」を発足させる。炭素繊維材料の開発拠点は、これまで2つの拠点
に分散していた。それを1カ所に統合、開発体制の強化を図るのが狙いだ。
帝人グループの東邦テナックスも昨年7月に炭素繊維複合材料開発などを手掛けるジーエイチクラフト
(静岡県御殿場市)を買収し「炭素繊維複合材料開発センター」を設置。今後の自動車、航空機向けの
受注拡大を目指し開発体制を強化した。
両社が炭素繊維複合材料の研究・開発体制を強化するのは、航空機メーカーからの受注が、数年から十¥数年の長期契約になるため、「安定した収益源として計算できる」(東邦テナックスの三嶋孝司社長)ほか、売れ筋の自動車に採用が進めば、大幅に生産量が増え、収益効果が計り知れないといったメリットがあるからだ。
また、航空機向けは、加工にも、高い技術やノウハウの蓄積が要求されるため“参入障壁”が高く、建築資材などの産業用途やレジャー用途の汎用品に比べ、値崩れしにくい特性も併せ持つ。両社とも、持ち前の技術力をいかせる市場として期待している。
◆燃費改善で利点
一方、航空機メーカーや自動車メーカーにとっても、軽量化による大幅な燃費改善で、製品の競争力を
高めるメリットは大きい。これまでも航空機の翼の一部などで使われてきたが、軽量化メリットの大きさが
認められたため、現在、胴体や主翼などの基幹部位にも炭素繊維の採用が本格化する見通しが強まっている。
米ボーイングの新中型機「787」は、主翼など機体の全構¥造材料の約5割に当たる35トンの炭素繊維を
使った設計で、燃費効率を約2割改善した。欧州エアバスで開発される新型機でも今後は炭素繊維の使用量
は増加する見込みだ。
航空機向けで強さを見せるのが東レだ。世界の炭素繊維市場で3割のトップシェアを握る同社は、航空機
向けではさらに、5割を超える圧倒的なシェアを誇る。「787」でも、機体材料に使う炭素繊維を2021年まで
独占供給する契約をボーイングと結んだ。「787」の生産が当初計画から大幅に遅れており、「計画はいまだに
見通しが立たない状況」(東レの榊原定征社長)なのは誤算だが、中長期的には成長分野に変わりはなく、
今後も強化していく方針だ。
◆次は自動車、需要拡大にらむ
ただ、ユーザー企業のニーズにきめ細かく対応できる技術力を一朝一夕に蓄積するのは難しい。炭素繊維
複合材料で出遅れた東邦テナックスは、航空機向けの大型受注獲得を目指し、開発・生産体制の強化が
課題という。
同社によると、航空機向けでは2割程度のシェアがあるが、付加価値の高い炭素繊維複合材料ではほとんどシェアがない状態だ。生産体制で立ち後れたことが原因だ。
「航空機向けの炭素繊維複合材料は、しなりや剛性などの作り込みに高度な技術を要する」(東邦テナックス)が、複合材料は、収益向上に欠かせないため、今後の体制整備が急務となっている。
国内3社では唯一、民間機での採用実績のない三菱レイヨンも炭素繊維複合材料のエアバスへの納入を
目指している。
また、自動車向け炭素繊維も国内各社が期待を寄せる分野だ。不況の直撃を受けて自動車販売台数は
急減しているが、軽量化による燃費改善のニーズは根強く、シャフトなどからボンネットやシャーシなどにも
用途拡大が進展。景気回復とともに引き合いも増加すると見ているためだ。
航空機と違い、自動車は量産品のため、金属に比べ加工の難しい炭素繊維複合材料でも、大量生産技術が不可欠。東レが開発拠点として名古屋を選んだのも、自動車関連企業が多い地域で自動車メーカーなどとの連携で、量産技術などを効率よく研究する狙いがある。
景気回復後の飛躍的な需要拡大を視野に入れ、今後も、航空機や自動車用の高付加価値技術が不可欠な分野で、各社の開発競争が激しさを増しそうだ。
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200901030017a.nwc
( ・∀・ )φ 炭素繊維はこれから市場拡大するようだね。ww