【ワシントン=黒瀬悦成】金正日(キムジョンイル)総書記の健康悪化が伝えられる北朝鮮で、総書記に不測の事態が起きた場合をにらみ、長男の金正男(ジョンナム)氏を形式的元首とする、金一族と朝鮮労働党、朝鮮人民軍の3者による集団指導体制の構¥築が進められている模様だ。
米情報筋が明らかにしたもので、体制作りの中心人物は総書記の義弟、張成沢(チャンソ¥ンテク)労働党行政部長。後継体制は実質的に「張政権」となる可能¥性が増しているという。
張氏は金総書記の実妹、金敬姫(キムギョンヒ)氏の夫。米情報筋によると、張氏はこの縁戚(えんせき)関係を武器に総書記と密接な関係を築き、妻とともに金正男氏の後見人的な立場に納まった。さらに張氏の兄弟2人が朝鮮人民軍の最高幹部であることも利用し、軍部を掌握できる立場を固めたとされる。
労働党指導部では張氏のほか、後継体制を担う可能¥性がある人物として注目されているのが、金養建(キムヤンゴン)党統一戦線部長。金総書記の信任が厚い同部長は、2007年10月に平壌で開かれた南北首脳会談に側近としてただ一人同席した。
朝鮮人民軍の中では国防委員会に所属する李明秀(リミョンス)、玄哲海(ヒョンチョルヘ)両大将の台頭が著しいとされる。いずれも「先軍政治」を掲げる総書記の側近で、昨夏に総書記の重病説が流れて以降に公開された、総書記が地方などを視察する写真の多くに2人が一緒に写っているのが確認されている。
金一族からは、総書記の元秘書で現夫人の金オク氏がポスト金体制での権力拡大を目指す。だが、同筋は「男尊女卑の風潮が強い北朝鮮でトップの座に就くのは困難だ。総書記が死亡した場合の後ろ盾もない」と指摘。このため同氏は現在、張氏との関係強化を通じて権力基盤の確保を目指しているほか、先妻との間に生まれた次男の正哲(ジョンチョル)、三男正雲(ジョンウン)両氏を取り込み、ゆくゆくは指導者に仕立てることを狙っているという。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090114-OYT1T00040.htm
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