【社説】THAAD電磁波測定を取りやめた韓国政府の体たらく
韓国国防部(省に相当)は21日、慶尚北道星州郡に配備されている米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」のレーダーから発せられる電磁波を測定する計画だったが、配備に反対する団体の反発を理由に取りやめた。この電磁波の測定は国防部の徐柱錫(ソ・ジュソク)次官が今月6日に現地住民との話し合いの場で約束したもの。当初は計画通り地元自治体の関係者や住民、メディアなど45人の立ち会いの下、基地周辺の7つの地点で電磁波を測定する予定だった。ところが「THAAD配備撤回星州闘争委員会」などが「一方的」などとして測定を拒否した。
同委員会が測定を拒否した理由は容易に想像がつく。国防部は昨年7月、グァムの米軍基地に配備されている同じレーダーの電磁波を測定した。星州郡のTHAADと地元の住宅地はおよそ1.6キロ離れているが、グァムにおいて同じ距離だけ離れた地点で電磁波を測定したところ、最大で1平方メートルあたり0.0007Wで、これは基準値とされる10Wのわずか0.007%だった。しかも星州郡のレーダーは住宅地よりも高地にあるため、上方に向けられるレーダーから出る電磁波を星州郡で測定すれば、これよりもさらに低い数値となるのは間違いない。委員会はこの事実、つまりファクトが明らかとなり、電磁波によって住民に健康上の被害などないことが知られるのを恐れているのだ。
一方で決して多い人数とは言えない闘争委員会が拒否したことを理由に測定を取りやめた国防部の対応も到底納得がいかない。THAADから発せられる電磁波のデマは、当時の野党までこれに言及するほどかなりの影響力があり、住民が配備に反対する理由もまさにこの問題だった。だとすれば国民が大きな関心を持つこの電磁波問題に決着をつけねばならないはずだが、政府が測定さえやらないとなれば国民も納得できないだろう。THAAD配備に反対する活動家や一部の地元住民が星州郡のTHAAD基地周辺で違法な検問を行っていても、韓国軍や警察は何もしないが、今回の測定取りやめもこれと全く同じパターンであり、あまりにも情けないとしか言いようがない。