中国空港で韓国人団体観光客を隔離、荷物監査だけで4回…「もしかしたらTHAAD報復?」
2017年07月24日15時15分[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版] comment0
A氏は今月初め、中国北京首都空港で異常なことを経験した。彼をはじめとする一行20人はロシア・モスクワから北京を経由して仁川(インチョン)国際空港に入国する予定だった。ところで、北京首都空港で荷物検査をする時になると、公安が「X線検索台が故障した」としてA氏らを他の所に案内した。
隔離された空間で公安は一行の荷物を開けさせ、すべての荷物をいちいち検査した。検査が終わってから出ようとしたところ、他の公安が入ってきて再び荷物を見せてほしいと求めた。理由は説明しなかった。お土産で買った高級ワインを持っていきながら「1カ月後に返す」と話した。似たような状況が繰り返され、A氏らは合わせて4回の荷物検査を受けるしかなかった。
A氏は「みんな50~60代の退職者や家庭主婦で普通の人々だったが、このような状況が1時間程度続き、不安に震えた」とし「他の場所に移動する時も公安が合間に挟まって人数を確認していたが、犯罪者扱いされるような気分だった」と話した。また、「これがその報復だなという気がした」と話した。
彼が言及した「その報復」は高高度防衛ミサイル(THAAD)体系の配備に対する中国の報復措置だ。昨年7月、韓米がTHAAD配備を決めた後、中国は経済・文化・社会など全分野にわたって「報復措置」を取っている。
A氏が経験したのがTHAAD報復とは言い切れない。中央日報は首都空港旅客サービスチームに電子メールで経緯を問い合わせたが、返答はなかった。外交部当局者は「まだ、似たような事例は受け付けられていないが、関連状況は常に注目している」と話した。
だが、ある旅行会社関係者は「中国が本来荷物検査に徹底する方だが、1回なら良くても4回というのはひどすぎる。モスクワならそんなに徹底的に荷物を検査するテロ危険国でもないのではないか」と疑念を呈した。
その間、中国のTHAAD報復は巧妙な「遵法制裁」の形式を取ってきた。ロッテマートの営業停止は消防法違反が理由になり、韓国人の商用ビザ発行条件を厳格に変える時もすでに便宜を図ってくれていたことを本来の原則通りに適用することにしたと説明した。韓国政府がTHAAD報復に抗議するたびに、中国側は「そのような措置は中国当局がしたのではない。THAAD配備に反対する中国国民の情緒が現れたもの」とし、白を切ってきた。
どこまでが明確にTHAAD報復であるか線引きをすることが難しいのも事実だ。だが、中国に関連した事案で韓国人が被害を受けたり、不当な処遇にあったりすれば、これをTHAAD報復だと疑うのが普通になった。
学界も例外ではない。理工系教授であるB氏が属している有名大学院では、昨年夏から科学技術論文引用索引(SCI)あるいは社会科学論文引用索引(SSCI)級の国際学術誌に論文を掲載することに困難を強いられている。学術論文が相次ぎはねられているわけだ。掲載に失敗した学術誌の共通点はエディターが中国人ということだ。B氏は「ある論文は3カ所から断られた後、4回目にエディターが中国人でない欧州地域学術誌に出したところ、すぐに掲載された」と話した。
また「エディターから『当ジャーナルに適していない』と言われれば納得できるが、こうしたことが繰り返されるとTHAAD報復の余波がここまで及ぼしているという気がするほかはない」とし「この前、関連学会に行ったら他の学校の人々も『そこもそうだったか?』と似たような経験を話していた」と話した。最近では終身職を保証されて中国の大学に就職した韓国人助教授が終身職審査から脱落するか、審査自体が先送りされているという噂も聞こえている。
専門家たちは中国政府が韓国とTHAAD問題に対する政治的解決を図ることはできるが、一連の過程で韓国国民に残した感情的傷は元に戻すことが難しいという点を指摘している。国立外交員のキム・ハングォン教授は「中国の過度な『遵法制裁』と、これによる韓国国民の中国に対する疑い、ないしは被害意識が続くのは深刻な問題」とし「このような情緒的反感が回復するまで時間が長くかかるだけに、両国がTHAAD対立とは別に社会・経済分野では協力を継続するというツートラック方針を至急両国の国民に伝える必要がある」と指摘した。