安保理の対北制裁決議案 1100億円相当、輸出削減 石炭・海産物など全面禁止 米主導で5日採択目指す
(1/2ページ)【北朝鮮ミサイル発射】PR
【ニューヨーク=上塚真由】北朝鮮による2度の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受け、米国は、北朝鮮に対する制裁強化決議案を国連安全保障理事会の理事国に配布した。安保理外交筋が4日、明らかにした。決議案は、北朝鮮の主な外貨獲得源である石炭や鉄、鉄鉱石、鉛、海産物の輸出を全面的に禁止することが柱となっている。
米国は5日の採択を目指して各国と調整している。安保理外交筋によると、決議案に盛り込まれた石炭などの禁止対象は、北朝鮮の総輸出額の3分の1にあたる約10億ドル(約1100億円)相当になるという。決議案が採択され、着実に履行されれば北朝鮮経済に大きな打撃となる。
決議案ではこのほか、北朝鮮の貴重な外貨獲得源として注目されている海外派遣労働者に初めて規制を設け、加盟国に対し、現在の受け入れ数よりも増やすことを禁じた。米国が強く求めてきた北朝鮮への石油の供給制限は、中国の同意が得られず見送られた。
ロイター通信によると、外交官は、北朝鮮に近い中国やロシアが決議案に同意することに「強い自信がある」と述べた。
北朝鮮による7月4日の1回目のICBM発射を受け、米中を軸に本格化。米国は日本と英仏、中国はロシアに情報を提供し調整を進めてきた。中国とロシアは対話による解決を重視し制裁強化に慎重な姿勢を示してきたが、同28日の2回目のICBM発射を受け、制裁協議が前進した。
安保理決議案は15カ国中9カ国以上が賛成し、かつ、米英仏中露の常任理事国5カ国が拒否権を行使しなかった場合に採択される。安保理では、北朝鮮が初めて核実験を行った2006年10月以降、核実験や弾道ミサイル発射に対し、これまで計7本の制裁決議を採択している。