韓国社会の「危機に対する不感症」に最も気分を害するのは意外にも金正恩(キム・ジョンウン)氏だ。韓国人が戦争を恐れないため、脅迫の効果が半減しているからだ。しかし韓国における平穏は本当に賢明さによるものだろうか。識者の多くは「安全保障を米国に依存した状態が長く続き、また20年以上にわたる緊張状態のためこれにも慣れてしまい『戦争など起こるわけがない』という一種の現実逃避心理が形成された」などと指摘する。数年前に行われた世論調査によると「有事の際に逃げ込む避難所を確認している」と答えた韓国人はわずか1%だった。また「予備役の招集がかかった時に行くべき部隊を把握している」との回答が10%だったとの調査結果もある。
韓国の政治家たちのDNAには「油断遺伝子」が組み込まれているという。目前に危機が差し迫っても「まさか」と思い続けて結局全てを失ってしまうのだ。壬辰倭乱(文禄・慶長の役)が起こる直前、当時の朝鮮王・宣祖は「倭国(日本)が侵略するかも知れない」との報告を黙殺し、結局国全体が火の海になった。6・25戦争が起こった日の朝、当時の李承晩(イ・スンマン)大統領は景福宮内の慶会楼で釣りをしていた時に戦争の報告を受けた。以前から38度線周辺で何度も小さな衝突が起こっていたため、警戒心が薄れてしまったのだろう。
米国と北朝鮮の対立が本格化する中、韓国政府は今完全に休暇の雰囲気だ。李洛淵(イ・ナクヨン)首相や金東ヨン(キム・ドンヨン)経済副首相兼企画財政部長官らはすでに休暇に入った。ある閣僚は「休暇は率先して楽しむ」と言った。もちろん誰でも休むべき時は休まねばならないが「なぜ今?」という疑問の声も相次いでいる。すでに形骸化していた民防衛訓練も10カ月にわたり中断している。韓国大統領府はつい先日「韓半島危機説には同意しない」とコメントした。まさかの事態に備えるのは政府の仕事だ。政府だけは油断していないとを信じたい。
朴正薫(パク・ジョンフン)論説委員
大丈夫、大丈夫w