韓国サムスングループのバイオ医薬品受託製造大手サムスンバイオロジクスが粉飾会計を疑われている問題で、韓国金融当局は12日、サムスンバイオの会計処理に関する調査結果を発表した。金融当局は同社が投資家に公表すべき重大な契約事項を意図的に隠したと認定。「明白な会計基準違反にあたる」として、担当役員に辞任を勧告した。
一方、サムスンバイオは「すべての会計処理を合法的に実施してきた」とするコメントを発表。「投資家ら利害関係者を保護するため法的手段を講じる予定だ」と行政訴訟も視野に徹底的に争う意向を明らかにした。
焦点はサムスンバイオ傘下のサムスンバイオエピスを巡る2015年12月の会計処理だ。15年12月期連結決算で約1兆9120億ウォン(約1910億円)の多額の利益を計上したことについて、今年5月に金融監督院から違法だった疑いがあると指摘されていた。
サムスンバイオ側は、エピスに出資する米製薬大手が合弁契約に基づいて出資比率を引き上げる意向を示したため、エピスを子会社から関連会社に変更しただけだと説明する。国内法に沿ってエピス株を時価に評価替えし、会計上の利益を計上したとしている。
これに対して韓国証券先物委員会の担当者は12日、調査の結果、サムスンバイオが合弁契約のなかで米製薬大手に与えた権利を「投資家に意図的に公表してこなかった」ことが判明したと強調。不正な会計処理の責任を問うため、検察に告発を検討するとした。
ただ注目された評価替えの処理については、違法かどうかの判断を保留した。韓国市場では「調査結果を読む限り、サムスンバイオが上場廃止になることは無さそうだ」(証券アナリスト)との見方が出ている。