サムスン電子などIT業界の業績低下が深刻 韓国経済の危機
- 半導体やスマートフォンなど、韓国経済を支えてきたIT産業が没落している
- 電子機器だけでなく、自動車や一般消費財にも必ず使われるIT部品
- 完成品メーカーも順次打撃を受ける可能性があるという
韓国経済の危機、IT・ネット企業に広がる暗雲

今月初め、サムスン電子は下請け会社で組織する「協成会」の半導体設備業者と会合を持った。席上、サムスン電子の役員は「来年の(半導体投資)はさほど期待しないでほしい。各社とも体質改善に力を入れてもらいたい」と述べたという。サムスン電子が来年は半導体設備投資を減らすと示唆した格好だ。サムスン電子関係者は「会社の業績を支えてきたメモリー半導体の価格が予想を上回るペースで下落しており、当初予定されていた設備投資を行えない雰囲気だ」と語った。
大企業の業績が揺らぎ、中小・中堅の下請け会社に対し、納品単価を引き下げるよう求める要求も強まっている。主要大企業に納品している中堅メーカーの経営者は「今年下半期に入り、客先から納品価格の引き下げ要求を受け続けている。値下げする代わりに発注量を増やしてもらいたいところだが、価格も発注量も低下し、経営は非常事態だ」と漏らした。
■IT業界に不振広がる
半導体、スマートフォン、ディスプレー、ゲーム、インターネットなど過去数年間にわたり、韓国経済を支えてきたIT産業が没落している。韓国の上場企業による営業利益の半分(49.59%)を占めるサムスン電子とSKハイニックスの業績低下が予想よりも深刻で、両社の株価は今年下半期にそれぞれ20%以上下落し、年初来安値を記録した。世界経済が過去10年間の好況から停滞局面に入ったことに加え、中国の攻勢もますます強まっているからだ。
テレビに搭載される液晶パネル(LCD)や有機発光ダイオード(OLED)パネルを主に生産するLGディスプレーは、中国メーカーによる安値攻勢で今年は2四半期連続の赤字に転落した。7?9月期は何とか黒字を回復したが、来年1?3月には再び業績が悪化しかねない。LCD世界首位の中国企業、京東方科技集団(BOEテクノロジーグループ)に完全に主導権を奪われたからだ。
韓国の2大電子部品メーカーであるLGイノテックとサムスン電機も世界のスマートフォン市場の鈍化で成長の勢いを失う見通しだ。スマートフォン向けカメラを主力とするLGイノテックは、最近の4カ月で株価が半分にまで下落した。サムスン電子と中国のスマートフォンメーカーに主要部品を供給するサムスン電機は今年、過去最高の業績を記録したが、10?12月期からは業績が急速に低下するとみられ、直近3カ月で株価が30%下落した。
インターネット企業も今年に入り、新たな突破口を見つけられずにいる。ネイバーは今年10?12月期の営業利益が前年同期を15%以上下回る2400億ウォン前後になると予想した。動画投稿サイト大手、ユーチューブが市場を侵食し、広告収入が打撃を受けた上、巨額を投じた海外事業では目に見えるような成果が上がっていない。カカオも新事業の目玉として推進している婚活事業にブレーキがかかっている。IT業界関係者は「既存の主力産業が衰退する一方で、未来の成長動力が見えない。フィンテック、ブロックチェーンなどの未来産業が規制に阻まれ、企業が相次いで海外に脱出していることも手痛い」と話した。
■世界不況の前兆か
IT景気の不況は世界不況の前兆とみられている。半導体、ディスプレーのようなIT部品は電子機器だけでなく、自動車、一般消費財にも必ず使われるため、部品メーカーの業績がまず悪化し、順次完成品メーカーも打撃を受ける構図だ。それは同時に消費者が財布のひもを締めることも意味する。財界関係者は「米中貿易戦争が深刻化し、両国間の商品往来が減少したことで、消費心理も悪化している」と述べた。
IT大企業が不況で緊縮経営に入り、中小下請け業者の経営難はさらに深刻化しそうだ。米国の半導体調査会社、ICインサイツは、サムスン電子とSKハイニックスが半導体設備投資を20%以上減らすと予想した。半導体業界では、サムスン電子が京畿道平沢市、SKハイニックスが忠清北道清州市に工場を完成させたが、設備搬入を遅らせる方式で投資速度を調整するのではないかと言われている。ディスプレー業界も大規模な新規投資は行わず、既存事業の安定化を重視している。IT業界関係者は「国内の優良中小企業を代表する存在だった半導体・ディスプレー関連設備・部品メーカーにとって、来年はつらい年になる可能性が高い」と指摘した。