習近平主席の言葉をメモする金正恩委員長
1953年11月、北朝鮮の金日成(キム・イルソン)主席(当時)が中折れハットに黒いコートを着て訪中した。6・25戦争(朝鮮戦争)後でははじめてとなる中国訪問だ。国境まで出迎えた周恩来首相は金日成主席と固い握手を交わした。「満州王」と呼ばれた高崗や当時国防相だった彭徳懐も国境の駅で金日成主席を迎えた。中国政府は金日成主席を最高の国賓として迎えた。国共内戦当時、金日成主席が武器を支援し、負傷した兵士やその家族の世話をした記憶が残っていたからだ。
金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は先日、66年前の金日成主席と全く同じ服装で4回目の中国訪問を行った。しかし中国側の対応は当時と全く違っていた。中国の最高指導部とされる共産党政治局常務委員7人のうち、金正恩氏と食事をしたのは習近平・国家主席と王滬寧書記の2人だけだった。金正日(キム・ジョンイル)総書記の時も常務委員全員が会談や食事に同席していた。金正恩氏は中国を4回訪問したが、常務委員全員と食事をしたことはまだない。中国は北朝鮮との上下関係を明確にする儀典をすでにはじめているようだ。
中国国営テレビ(CCTV)は今回の中朝首脳会談を報じる際、金正恩氏が習主席の言葉についてメモを取る様子を意図的に3-4回映し出した。
中国の国家主席が地方の官吏を指導するような光景だ。
金正恩氏は北朝鮮では神にも等しい立場にあるため、誰かの言葉をメモする様子など想像もできないだろう。
CCTVは金正恩氏が習主席の歓迎に感謝の意を伝えたと報じたが、その歓迎と関心については「関懐(配慮や思いやり)」という言葉を使っていた。上の立場が下の立場に示す関心と配慮に感謝したという意味だ。金正恩氏をさりげなく「下の人間」と表現していたのだ。




