ベトナム「国産スマホ」続々、低価格武器に攻勢
【ハノイ】ベトナムで地場企業がスマートフォン(スマホ)の生産を拡大する。不動産最大手のビングループはスマホ事業に参入し、2019年に製品を発売すると発表した。家電メーカーのアサンゾは18年、スマホ生産量を前年の50倍にあたる60万台に増やす。ベトナムのスマホ市場は韓国・サムスン電子がほぼ半分のシェアを握る寡占市場だが、低価格を武器に違いを打ち出して攻勢をかける。
ビングループはこのほど、資本金1億3100万ドル(約140億円)でスマホの生産会社ビンスマートを設立した。ベトナム北部の港湾都市ハイフォンの工業団地内に工場を設ける。ビングループは昨年9月に自動車製造参入を表明し、同団地内に工場を建設中だ。スマホの工場はその隣接地になるとみられる。
グエン・ベト・クアン副会長は「ビングループがつくろうとしている自動車と同じ戦略で、手が届きやすいセグメントから入り、高付加価値に移行していく」と話す。スマホも当面は低価格帯で勝負する見通しだ。
ビングループはすでに海外のスマホメーカーと提携しているもようで、技術を吸収しながらベトナム人の嗜好にあった低価格で費用対効果の高い製品をつくる。発売は19年6月ごろという。
テレビを中心に家電製品を手がけるアサンゾは18年、スマホ関連に2000億ドン(約10億円)を投じ、スマホの生産を大きく伸ばす。アサンゾは17年にスマホに参入して2機種を発売したが、生産台数は1万2000台にとどまっていた。
18年は四半期ごとに新製品を発売するなどし、生産台数を60万台以上に増やす。アサンゾのファム・バン・タム会長は「機能を簡略化した100万ドン(約5000円)の低価格スマホを検討している」と明かす。同社は17年の売上高が4兆6200億ドンで、そのうち約9割をテレビが占め、スマホは1%以下だった。20年にはスマホを売上高全体の3割に引き上げる計画を掲げている。
(中略)
■サムスン進出で部品集積、技術力向上に一役
ベトナム企業が相次ぎスマートフォン(スマホ)の生産を始められる背景には、韓国サムスン電子の存在がある。
2009年に北部バクニン省でスマホ工場の操業を始めたサムスンは韓国、日本などの部品メーカーを誘致し、スマホ関連の集積地をベトナムに構築した。その一部が地元の企業にも部品を供給するようになっている。技術者の転職などもあって、スマホの生産が可能な技術力がベトナムに蓄積されつつある。
ベトナムのスマホ市場は毎年1割前後の高いペースで伸び、17年の販売台数は1500万台と13年の2倍超に膨らんだ。
(以下略)