明太子のルーツは韓国の明卵漬
さっそくですが、明太子のルーツを教えてください。もともと福岡県の朝倉に川原家の本家があったのですが、三男だった私のひいおじいちゃんが家を継げないからと、当時日本領だった韓国の釜山(プサン)に渡って、海運業と商品販売をしていました。そしてふくやの創業者となる祖父の俊夫が大正2年に釜山で生まれ育ち、祖母の千鶴子と結婚し、満州の新京で新生活をはじめたものの、徴兵されて激戦地 だった沖縄の宮古島で終戦を迎えました。なんとか生きて帰って、満州から引き揚げてきた家族と福岡で居を構えて、ここ中洲で食料品店を始めたのが昭和23年です。なんだかドラマチックなストーリーから始まった明太子の歴史。ドラマや映画になりそうな話だと思ったら、すでに『めんたいぴりり』というテレビドラマとなり、さらには映画化も決定しているそうだ。
昭和15年前後、軍隊時代の川原俊夫。写真提供:ふくや当時は仕入れられればなんでも売れる時代ではあったのですが、ただものを売るだけではなく、オリジナル商品がないと差別化できない。たまたま年末にタラコ(塩漬けにしたスケトウダラの卵巣)が仕入れられたので、正月休みを使って、釜山でよく食べた『明卵漬(ミョンランジョ)』を作ってみようと思ったのが、明太子が生まれたきっかけです。
後述する『ハクハク』の展示から、明太子の原材料となるスケトウダラ。博多周辺ではほとんど捕れないけど、なぜか博多の名物となっている。明卵漬はスケトウダラの卵巣を塩と唐辛子、ニンニクや胡麻などと発酵させたもので、今の明太子というよりは、チャンジャに近いものだったみたいです。スケトウダラの胃や腸で作ったものがチャンジャで、卵巣で作ったものが明卵漬なんですね。韓国にもともとあった明卵漬を再現しようとしたけれど、博多の人の口にはちょっと合わなかったようです。周りの意見を聞いていくうちに、今のような調味液に漬けこむ製法の明太子が生まれました。
韓国の明卵漬。写真提供:ふくやややこしいのが今の韓国に伝統的な明卵漬はほとんどなくなってしまって、日本風の明太子ばかりなんです。若い韓国人からは「韓国の明太子が日本にもあるのか」と言われるのですが、一周回って文化が行き来をした結果なんですよ。唐辛子が日本を経由して韓国へと伝わり、スケトウダラの卵巣を唐辛子などと漬けた明卵漬が生まれて、それを元に日本の博多で明太子が誕生し、韓国でもふくやで生まれたスタイルが当たり前のように食べられているということなのか。うおー、ぐるぐるまわる食文化。
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かなり常識の話だと思うけどね。w
ふくやさんは正直。www