11/20(水) 18:33配信
イラストのような小型肉食恐竜が、白亜紀の南極にも暮らしていたかもしれない。羽毛は体を温めるのに役立っただろう。(ILLUSTRATION BY PETER TRUSLER)
羽毛は体を温めるために進化した可能性も
太古の南極近辺に羽毛恐竜がいたことを示す、初めての確かな証拠が見つかったとする論文が、学術誌「Gondwana Research」に11月11日付けで発表された。
ギャラリー:鳥になった恐竜たち 写真5点
見つかったのは、白亜紀初期に当たる1億1800万年前の、非常に保存状態のよい羽毛の化石が10個。発掘地はオーストラリア南部だ。当時のオーストラリアは今よりもかなり南にあり、今の南極大陸とともに南極大陸塊を形成していた。現在の南極より暖かかったとはいえ、この羽毛をもつ恐竜たちは、極夜が続く何カ月もの冬に耐えていたはずだ(ちなみに白亜紀の後期は、南米の竜脚類が歩いて南極やオーストラリアに向かえるほど暖かい環境だった)。
「これまで、極地で羽毛の化石は見つかっていませんでした」と論文の共著者で、スウェーデンにあるウプサラ大学の古生物学者ベンジャミン・キアー氏は語る。「今回の発見は、羽毛恐竜や初期の鳥類が太古の極地に生息していたことを初めて示すものです」
これまでも、極地から恐竜の時代の鳥の細かい骨が見つかることはあったが、羽毛の化石が出土したのは初めてだ。南米ペルーで見つかったペンギンの絶滅種の化石には羽毛が閉じ込められていたが、それは大陸がかなり北に移動していた3600万年前ごろのものだ。
恐竜たちは進化の過程で、さまざまな羽毛を発達させた。たとえば求愛のための羽毛や、飛ぶための羽毛だ。今回、かつての南極付近で見つかった羽毛は、そこに新たなヒントを与えてくれる。当時の南極では、小型肉食恐竜が厳しい冬を生き延びられるよう、羽毛が発達したかもしれないということだ。
「白亜紀の恐竜や初期の鳥は、羽毛をもつことによって高緯度地域でも温かく暮らすことができたのでしょう。そう考えれば、納得がいきます」とライアン・マッケラー氏は話す。同氏はカナダ、ロイヤル・サスカチュワン博物館のキュレーターで、羽毛の化石に詳しい。
当時の南極は現代よりもはるかに暖かったし、恐竜がいたのは当然。羽毛は何のために発生し進化したのか、今後の研究が楽しみだ^^