そりゃw ワクチン接種は、
先ず自らを守る手段だしw
ワクチンで逆に「感染が広がる」意外な可能性
重症化は抑えられるが、感染力低下は微妙
2020/12/16 9:30新型コロナウイルスに対してファイザーとモデルナが開発したワクチンは重症化を防ぐのに非常に効果的なようだ。だが、感染拡大の抑制にどの程度つながるのかはわかっていない。
というのは、ファイザーとモデルナの臨床試験(治験)は、ワクチンを接種した被験者のうち新型コロナウイルス感染症を発症した人の人数を数えたにすぎないからだ。つまり、ワクチンを接種した人の中から無症状感染者が出てきて、ひそかに感染を広げる可能性は消えてない。こうした人々が他者と濃厚接触したり、マスクの着用をやめたりした場合には、その懸念はさらに強まる。
仮にワクチンを接種した人々が静かに2次感染を広げる場合があるのだとしたら、こうした人々が各地域でウイルスを拡散し続け、ワクチン接種を済ませていない人々を危険にさらすおそれがある。
ワクチンを接種してもマスクは外せない
「ワクチン接種を済ませたら、もうマスクを着けなくてもよくなると考えている人は多い」。こう指摘するのは、スタンフォード大学の免疫学者ミハル・タル氏だ。
「ワクチンを接種した人がマスク着用を続ける必要があるかどうか知ることはとても大切。なぜなら、ワクチン接種を済ませた人であっても感染を広げる可能性があるからだ」
新型コロナを含むほとんどの呼吸器感染症では鼻がウイルスの主な侵入経路となる。ウイルスはそこで急速に増殖して免疫系を刺激。鼻、口、肺、胃の内側の粘膜にある種の抗体をつくり出す。そして、同じ人間がもう一度ウイルスにさらされると、これらの抗体に加えて、ウイルスを記憶している免疫細胞が鼻腔内のウイルスをすみやかに撃退し、体のほかの部位に定着するのを防ぐ。
ところがコロナワクチンは、これとは対照的に筋肉の奥深くに注射され、血液にすばやく吸収される。血液で免疫系を刺激して抗体をつくり出すスタイルだ。発症の予防には、これで十分だろう。
これらの抗体の一部は鼻粘膜まで循環してきて、そこでウイルスを撃退する。ただ、抗体プールからどれくらいの量の抗体が、どれくらいの速度で動員されるのかはわかっていない。その答えが「不十分」ということであれば、ウイルスは鼻のなかで増殖し、くしゃみや呼吸によって他者に感染させる可能性が出てくる。
「これは競争だ。ウイルスの増殖のほうが速いか、免疫系の制御のほうが速いかの勝負になる」と、シアトルにあるワシントン大学の免疫学者マリオン・ペッパー氏は話す。「これはとても重要な問題だ」。
発症予防効果は高いかもしれないが…
こうした理由から専門家は、鼻の中に吹き付けるインフルエンザ用の「フルミスト」や経口ポリオワクチンのような粘膜ワクチンのほうが呼吸器感染症の予防に優れているとしている。
したがって、次世代のコロナワクチンはウイルスの主な侵入経路である鼻などの気道で抗体を誘導するものとなるだろう。筋肉内注射を行った後に、鼻と喉の粘膜で防御抗体を産生するブースターワクチンを投与する方法も考えられる。
コロナワクチンは重症化を防ぐ効果が高いことがわかっているが、これは必ずしも鼻腔内でのウイルス撃退効果を保証するものではない。コロナが重篤な症状を引き起こす肺は、鼻や喉に比べると循環抗体がはるかに到達しやすく、そのぶん防御も容易だ。
「重い病気を防ぐのが最も簡単で、軽い病気を防ぐのはより難しく、すべての感染を防ぐのが最も難しい」とアリゾナ大学の免疫学者ディープタ・バタチャリヤ氏は話す。「発症予防効果が95%とすれば、感染予防効果は間違いなくそれを下回る」。
それでもバタチャリヤ氏などの専門家は、ワクチンの感染抑制効果に期待している。ワクチンは鼻と喉にも効果を発揮し、他者に感染を広げなくて済むレベルにまでウイルス量を抑え込むとみられるためだ。
アストラゼネカは11月に治験結果の一部を発表し、ボランティアの被験者が自ら定期的にウイルス検査を行ったところ、一定程度の感染予防効果があることを示すデータが得られたとした。
ファイザーは治験参加者の一部を対象に、Nと呼ばれるウイルスタンパク質に対する抗体を検査する予定になっている。ワクチンはこのタンパク質と関係がないため、N抗体を調べればワクチン接種後に被験者がコロナに感染したかどうかがわかると同社広報担当のジェリカ・ピッツ氏は話す。
モデルナも治験参加者全員の血液を分析し、N抗体を検査する予定だ。モデルナの広報担当コリーン・ハッシー氏によれば、「結果が出るまでには数週間かかる見込み」という。
ワクチンが生み出す悪質な拡散者
これまでの治験では血液のみが分析されてきたが、粘膜における抗体を検査すれば、抗体が鼻や口にも移動可能なのかどうかが確認できる。タル氏の研究チームは、ジョンソン・エンド・ジョンソンの治験参加者から血液と唾液の両方の検体を得て、同一人物の血液と唾液で抗体レベルにどのような違いが出てくるのか分析する計画だ。
一方、最近の研究では筋肉内注射でインフルエンザワクチンを接種した人が鼻腔内に豊富な抗体を持っていたことが示された。バタチャリヤ氏はこの結果に勇気づけられていると話す。また、新型コロナ患者を対象にしたある研究では唾液と血液中の抗体レベルがほぼ一致していることもわかった。これは、血液中の強い免疫反応が粘膜組織も保護していることを示唆する。
他人に感染を広げるのは鼻や喉でウイルスが増殖した人に限られるとみられる。さらに、ワクチンを接種した人が感染後に症状を示さないということは、ワクチンがウイルス量の抑制につながった可能性もある。
しかし、各種研究の中には無症状者でも鼻腔内に大量のコロナウイルスを持っている場合があるとしているものもある、とアメリカ小児科学会の代表としてアメリカ疾病対策センター(CDC)の「予防接種の実施に関する諮問委員会」に参加するイボンヌ・マルドナード医師は指摘する。コロナウイルスで世界初の再感染例となった香港の33歳男性も無症状だったが、他者に感染させるのに十分な量のウイルスを保有していた。
ワクチン接種を済ませ、ウイルスを大量に保有しながら無症状となっている人は「誤った安心感を抱いている可能性があるため、実際にはある意味で一段と悪質なウイルスの拡散者になる」(マルドナード氏)。
Apoorva Mandavilli記者