東京五輪:日本入国からメチャクチャ、韓国報道陣出国前日に「防疫審査まだだから来るな」
組織委の業務マヒ…「日本に入ること自体が五輪種目」
出国まであと一日を切ったころに届いた「承認不可」通知。東京五輪取材のため出国を準備していた韓国のあるメディアにとって、まさに青天のへきれきとも言える通知が先日、届いた。東京五輪組織委員会が独自に開発したインターネット防疫情報サイトや担当者の電子メールを通じて関連書類をすべて提出した後、5日間音さたがなかったのに、出国前日の午後6時40分ごろになって担当者から「審査が通らなかった」と知らせが来た。特別な理由は書かれていなかった。このメディア関係者は「行動を報告しなければならない入国後14日間について、目的地を消せという言葉しかなかった。何が間違っていたのか教えてくれなければ修正もできないじゃないか」と言った。複数のメディアが出国日の未明に「承認できない。日程を変えることができるか」というメールを受け取ったという。あるメディアはこのため、一部取材スタッフが泣く泣く日本入国を先送りしなければならなくなった。だが、入国を強行したほかのメディアは事実上、無事通過した。
「日本に入ること自体が五輪種目であるかのようだ」
開幕まであと十日となった東京五輪参加を前に、入国段階で引っかかるケースが増え、韓国スポーツ界やメディア関係者の間からはこうした嘆き声が多数上がっている。組織委が作成した必須防疫システムがきちんと機能していない上、組織委の仕事が頻繁にマヒし、不満の声にあまり対応できていないからだ。「緊急」事案も2-3週間過ぎて処理が行われるのが常だ。組織委では遅まきながらコールセンターを開設し、利用を呼びかけたが、ずっとつながらない。
出入国管理がメチャクチャになったのは、開幕直前に混沌(こんとん)とした状況に陥っている東京の姿を現す一事例にすぎない。最近、デルタ変異株など新型コロナウイルスの感染が再拡大するや、「防疫」に全エネルギーを集中することに突然、方針転換したため、あちこちで足並みがそろわない状況が明らかになっている。「新型コロナという大騒動の渦中でマニュアルが故障でもしたかのようだ」という言葉まで聞かれる。
一部では、基本的な新型コロナ対策でさえ安易に作られているとの指摘もある。組織委は訪日した関係者たちに「隔離」「行動事前報告」など厳格なルール順守を要求しながらも、宿泊施設近くのコンビニは制限的に利用できるようにした。日本の野党第1党がすぐさま「市民との接触を禁止すると言いながら、コンビニに行くことを許可しているのは矛盾している」「新型コロナの『バブル方式(泡で包み込むように外部と遮断した空間を作ること)』が無意味になった」と見直しを要求した。組織委の事情をよく知る現地スポーツ関係者は「日本政府と組織委、自治体との間で意思疎通がうまくいっていない。だから現場が右往左往している」と語った。
足並みがそろわない中、大会関係者の感染も相次いでいる。8日に英国代表選手団を担当する日本人の40代女性がバス乗車補助などの業務を開始してから8時間後、陽性だと明らかになったケースもあった。NHKによると、今月1日から10日までで新型コロナに感染した大会関係者(選手を除く)は合計18人に上るという。
東京では市民たちの不安がますます膨らんでいる。10日に国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が滞在している都内のホテル前で、「五輪反対派」の糾弾集会が開かれた。集会主催者側は東京スポーツとのインタビューに「IOCは開催国に負担をかけ、自分たちは利得ばかり手にしている」と非難した。彼らは「五輪災害」という表現を使って、「バッハ会長の今後の日程も阻止する」と脅した。都内のあるホテルで日本人と外国人が使用するエレベーターを別々にしたものの、12日に撤回するという出来事もあった。海外入国者に対する日本人の警戒心を考慮したホテル側の措置だったが、一部から「人種差別だ」と講義を受けて取りやめたものだ。
この混乱の原因として、開幕時期になっても十分とは言えない新型コロナワクチンの接種実績を挙げる人もいる。8日時点で日本のワクチン接種「完了」者の割合は、全国民の16.8%だ。「マスクなし」の観客6万人を入場させ、欧州サッカー選手権の決勝を実施した英国ではワクチン接種完了者の割合が50.6%、日常生活の回復を図る米国では47.3%だ。最近の日本の一日新規感染者数は2000人台で、英国(3万人台)の10分の1にも満たないが、まだ接種率が低く、感染の恐れが再拡大している。これにより、組織委も「復興五輪」「新型コロナに勝った証拠」から「安全・安心な五輪」へと急きょ方向転換したが、こうして各種マニュアルの機能がストップする事態に至っているとの見方もある。大韓体育会関係者は「数多くの五輪を経験してきたが、このようにあきれた対応は初めてだ」と述べた。