「ステルス機配備に反対した一味、韓国総選挙に出馬して与党の大物とも接触」
北の指令を受けた4人、韓国国内でさまざまな政治活動
北朝鮮の指令を受けてF35A配備反対活動を行った疑い(国家保安法違反)などにより、国家情報院(韓国の情報機関。国情院)および韓国検察・警察の捜査を受けている清州地方の労働団体出身者4人が、韓国国内でさまざまな政治活動を行っていたことが4日に伝えられた。4人は先の韓国大統領選挙で、「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)候補の選挙対策委特補として活動し、さらに総選挙にも出馬して、一部は「共に民主党」の大物議員と接触したことが分かった。尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検察総長は、今回の事件を「スパイ事件」と規定し、徹底した真相究明を要求した。
この4人は2017年4月末、当時の文在寅・大統領候補の選挙対策委員会特補団メンバーに任命された。翌月4日には忠北道庁で清州の他の元職・現職労働団体幹部と共に記者会見を開き、文候補支持宣言を行った。この4人は、清州地域の民労総(全国民主労働組合総連盟)や企業労組で活動する中で互いに知り合うようになったと伝えられている。当時のメディアの報道などによると、4人は記者会見で発表した「宣言文」を通して「積弊清算と新しい韓国建設の希望を実現する文在寅候補を積極支持する」とし「忠清地域の労働者は、労働者が良い待遇を受ける社会の建設のため、文候補忠清労働者10万リレー宣言を続けていく」と表明していた。
また、一味のうち2人は地方選挙にも出馬していた。韓国検察に身柄を拘束されたA容疑者は、14年の6・4地方選挙で無所属の予備候補として登録した。A容疑者は13年11月、当時の安哲秀(アン・チョルス)無所属議員のシンクタンクである政策ネットワーク「明日」実行委員に名を連ねた。また、4人のうち唯一令状が棄却されたソン容疑者は、16年の4・13総選挙に無所属候補として出馬していた。
一味は昨年10月、北朝鮮にクリの苗木を送ろうという「2022北へ 統一クリ苗木百万本送付運動」の提案文を発表した。国情院などは、これを北朝鮮の指令に基づく活動と判断している。この運動に関連して、4人は韓国国会を訪れて与党「共に民主党」の大物議員と会い、後にソン容疑者は自分が運営するインターネットメディアに「(与党大物議員から)全国民統一運動のための三つの提案事項について積極的に検討するという回答を得た」という記事を載せた。
捜査当局は、一味が少なくとも4年前から北朝鮮の指令を受けて活動してきたとみて、捜査を拡大している。参考人として調査対象になっている人物だけでも数十人に上り、このうち一部は容疑者に切り替えられる可能性もあると伝えられている。国情院などは4日、身柄を拘束した3人に対する取り調べを拘置所で行おうとしたが、3人は供述拒否権を行使しているという。今回の事件を「文在寅政権のスパイ捏造(ねつぞう)事件」だと主張してきたソン容疑者は、本紙の電話取材に対し「拘束令状が請求されるや突然辞任届を出した民弁(民主社会のための弁護士会)の弁護士を、弁護士法違反で告訴したい」と語った。
青瓦台(韓国大統領府)と与党は、一味が先の大統領選挙において大統領候補特補として活動したという疑惑について「初めて聞く話だ」という立場だ。選挙キャンプに大勢の人が行き来している状況で、誰が特補として活動したかなどを確認するのは困難だという。一味が与党の大物議員と会ったという疑惑に関して、与党の中心人物は「議員のオフィスには市民運動をやっている人々が1日に何度もやって来て、記念写真を撮って帰っていく」とし「この人々もそうしたレベルではないのか」と語った。
尹錫悦・前検察総長は、今回の事件についてフェイスブックに「韓国にまだ『組織的スパイ活動』が存在しているという事実が判明した、極めて重大な事案」と書き込み「文在寅政権は災害支援金支給などに回すため、F35A配備予算を削減するなど国防予算を5600億ウォン(現在のレートで約533億円)減らした」「これが、このスパイ事件について徹底した真相究明をぜひとも必要とする理由」と主張した。