ワクチン接種回数が1億回突破した日本 スピードは先進国トップレベル、40~50代も焦らず接種優先で
新型コロナワクチン接種が進んだ65歳以上の重症化や死亡は抑えられている。一方で20~30代の感染や40~50代の重症が多いというが、接種のスピードや進捗(しんちょく)は各国と比べてどうなっているのか。
ワクチン接種状況は、累積で100人当たり何回打ったかという数字をみるといい。日本は4月中旬時点で2回だったが、5月中旬で6回、6月中旬で25回、7月中旬で55回、8月中旬で85回程度まで増えてきた。
たしかに日本は接種開始で出遅れたが、現在の1日の接種スピードは先進国のトップレベルになっている。累積での接種回数も1億回を越えた。官邸ホームページで6月中旬以降の接種回数が出ているが、1日平均の接種回数は単純計算で200万回を超えている。
かつて、テレビなどで「1日100万回」という政府の目標について、積算根拠がなく、計画から逆算した「いい加減な数字」と発言した人もいたが、現状をどう説明するのだろうか。
筆者は当時、ワクチン接種予算で1400億円程度計上されたが、その積算根拠は1万個のワクチン貯蔵用冷凍庫だといい、1箇所当たり1時間で30人は可能なので、輸入量さえ確保できれば1日100万人は達成できる数字と反論していた。
日本としばしば比較される英国の同じ時期でみると、100人当たりの累積接種回数は4月に60回、5月に85回、6月に105回、7月に120回、8月に130回程度だ。
英国で直近の新型コロナ感染の波が来たのは4月中旬である。そのときの接種率は60回程度だった。その波では、100万人当たりの死者数は20人程度だったのが、現状は2人程度以下と一桁も低くなっている。ここから考えると、60回程度を超えると、死者数を減らすなど一定の抑制効果があるのだろう。
日本の現状の感染の波がスタートしたのは6月下旬だ。その時点のワクチン接種は100人当たり40回程度で、英国と同じ60回程度になったのは7月中旬だ。この差がどうなるのか。筆者の直感としては、日本は高齢者接種を重点的に実施したので死亡率はそれほど高くならないが、感染率は高くなりそうだ。
いずれにしても、ワクチン接種を進めたほうがいい。
先進7カ国(G7)の動きをみると、カナダ、イタリア、フランス、ドイツは順調に進んでいる。先ほどの数字をいえば、4月に25回程度、5月に45回程度、6月に70~75回程度、7月に95~115回程度、8月に115~135回程度だ。
米国は進捗スピードが遅くなり、4月に60回、5月に80回、6月に95回、7月に100回、8月に105回程度と伸び悩んでいる。日本はあと1カ月少しすると米国に追いつき、追い越しそうだ。
筆者としては、今の日本のペースで全体としては問題ないと考えている。40~50代の人の出遅れ感はあるが、焦ることはない。個人としての心構えとして、仕事優先ではなく、ワクチン優先でスケジュールを考えたほうがいい。その方が結果として、個人の仕事も健康もうまくいくだろう。