夏が来れば思い出す
2022/7/16 07:00黒田 勝弘/cloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com/sankei/GZMJRXKOGVJG3IWLEQ5NRARPEQ.jpg)
韓国では夏の暑い日を「ポンナル(伏日)」という。陰暦で夏至の後の最初の「イヌ(戌)の日」が「初伏(チョボク)」で「中伏(チュンボク)」「末(マル)伏(ボク)」と続く。今年は7月16日が「初伏」で最後の「末伏」は8月15日。今週末の「初伏」を前に街の「サムゲタン(参鶏湯)」の店には早くも行列ができている。
「サムゲタン」は鶏の腹にモチ米やニンニク、ナツメ、高麗ニンジンなど漢方系食材を詰めて煮た〝強壮食〟で暑気払いに人気がある。昔は「伏日」にはイヌ肉が食されたが、このところペットブームでイヌ肉料理が追放状態にあり、近年は女性や家族連れ向けもあってもっぱらトリ肉の「サムゲタン」になった。
そこで名残を惜しみ、街はずれにある勝手知ったイヌ肉料理の有名店に出かけたのだが、看板やメニューなどどこにもイヌが見当たらない。看板には「韓国伝統補養料理」とだけあり、メニューには「ヤギ肉」のことが出ている。
店員に「おタクはイヌじゃなかったの?」と聞くと「最近、何かとうるさいのでねえ…」と苦笑された。イヌ肉料理はちゃんと出たからヤギで〝偽装〟というわけか。そして店の数軒先にはこれ見よがし(?)に「動物権市民連帯」の看板を掲げた動物保護団体の事務所があった。伝統食文化も今や立つ瀬がない。(黒田勝弘)
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