韓国で前政権の大臣の息子、軍から脱走の罪を握りつぶしたものの、政権交代後に再捜査対象となって国外に逃走してしまう
軍の特恵休暇疑惑:チュ・ミエ氏、検察の召喚に応じないまま出国(中央日報・朝鮮語)
検察がチュ・ミエ元法務部長官の息子、ソ某氏の軍服務時代の特恵休暇疑惑を再捜査している中、ソ氏が昨年末、海外に出国したことが確認された。 検察はソ氏に対して入国時に通知措置を下した。
15日、法曹界によると、ソ容疑者関連疑惑を再捜査中の検察は、ソ容疑者が昨年末、トルコに出国し、現在まで入国していない事実を確認し、ソ容疑者が入国する際に通報してほしいと法務部出入国当局に要請した。 検察はソ氏が入国する場合、直ちに出席を要求して関連内容を捜査する方針だ。
先立って2019年自由韓国党(国民の力の前身)はソ氏が軍服務中だった2017年に休暇に出て復帰しなかったことに対して、チュ前長官が外圧を行使して事件を揉み消したとし、チュ前長官を位階による公務執行妨害・軍務離脱幇助などの疑惑で検察に告発した。
事件を捜査したソウル東部地検は2020年9月、チュ元長官とソ氏、元補佐官、部隊地域隊長など4人を嫌疑なしで不起訴処分した。 (中略)
これに対して国民の力は抗告状を出し、ソウル高等検察庁はこれを棄却した。 国民の力は再抗告し、2022年最高検察庁は当時捜査が不十分だったと見て東部地検に事件を再捜査せよと指示した。
再捜査を担当した東部地検は当時、休暇担当将校など事件関係者たちを召喚調査した後、ソ氏にも軍刑法違反の被疑者として出席調査を受けるよう通知したが、ソ氏はこれに応じないまま出国した。
(引用ここまで)
個人的にはかなり面白い、というか楽しめているニュース。
ムン・ジェイン政権時代にチョ・グクのあとを引き継いで法務部長官(法務大臣に相当)となっていたチュ・ミエという人物がいるのですが。
これがまあ、当時の検察総長であったユン・ソンニョルとばっちばちにやりあっていたのですよ。
政権(チョ・グク)に捜査の手を伸ばしたことが気に入らなかったために、なんとかしてその地位を剥奪しようと躍起になっていたのですね。
まず手始めにハン・ドンフンをはじめとしたユン総長の側近をごっそりと左遷させました。
その後も「伝家の宝刀」扱いでめったに抜くものではないとされている法務部長官の捜査指揮権を1年という短い任期の間に3度も発動するなどして、ユン総長に「多数の不正が確認された」として2ヶ月の職務停止を命じ、自身は辞職を表明したのです。
ただし、ユン総長から執行停止申請を受けた裁判所が執行停止を申し渡してわずか1週間ほどで復職。
本来ならムン・ジェイン政権としては「ユン総長に辞職してもらい、チュ・ミエにも辞職してもらうことで痛み分けを演出しよう」との意図だったようですが。
実はチュ・ミエが辞任を拒絶したので、ムン・ジェインはチュに更迭を言い渡し、そのまま法務部に戻ることなく大統領府から自宅に帰ってしまったとされています。
結果、ユン・ソンニョルは翌年3月に堂々と辞任し、ムン・ジェイン政権と戦い続けたことで次期大統領候補に躍り出ることになったのです。
現在のユン大統領を作り上げたのは誰かといえば、チュ・ミエが最初に思い浮かびますね。
さて、そのチュ・ミエですが。
息子が徴兵期間中に休暇が終わっても隊に復帰せず、脱営したのではないかとの疑惑があります。
そして、そのチュ・ミエが脱走を国会議員として隠蔽したのではないかとされていました。
「タマネギ女」と化した韓国法相、「息子は本来なら兵役に就けないほどに膝が悪かった」……という設定だったはずなのに、本人は兵役直前まで留学先でサッカーしてた(楽韓Web過去エントリ)
「膝が悪くて徴兵に応じなくてもいいのに、母親が国会議員だからと特別扱いされるのはダメだ」として徴兵に応じた、いわば愛国者なのだとの設定だったようです。
この疑惑についてはチュ・ミエが法務部長官でいる間に「不正は見つからなかった」として親子共々不起訴処分になっていたのです。
しかし、政権交代後の2022年11月に再捜査が決定されています。
いわばユン政権による政治報復といえる部分もありますが……そもそもが犯罪を見逃されてきたわけで。
息子のソ某は検察からの出頭要請を無視してトルコに出国してしまったまま戻っていないと。
完全なる黒ムーブですね。逃げるヤツはどこまででも逃げるんだなぁ。
一時は母親が法務部長官であるとの威光で軍からの脱走を無罪放免とされていたのですが、政権交代してしまったためにそれを含めて糾弾されているっていうね。
とても韓国的な出来事といえるのではないでしょうか。