北朝鮮専門家「朝鮮半島の戦争リスクはかつてないほどに高まっている」……そこに北朝鮮の自作自演と思われる平壌のドローン騒ぎ、これがなにを意味するのか
「韓国ドローンが平壌上空でビラ散布」、北朝鮮が主張 (ロイター)
北朝鮮は11日、首都平壌の上空に韓国がドローン(無人機)を飛ばし、「膨大な数」の北朝鮮の体制を批判するビラをまいたと非難した。国営の朝鮮中央通信(KCNA)が報じた。政治的・軍事的挑発行為で、武力衝突につながりかねないと警告した。
北朝鮮外務省は、ドローンは夜間に平壌の上空を飛来したとし、「韓国は、武力衝突を引き起こし両国間の戦争につながる可能性のある無責任で危険な挑発行為を直ちにやめるべきだ」と述べた。今回が最後の警告で、無人機が北朝鮮領内に飛来した場合は直ちに対抗措置を取るとも発表した。
韓国軍合同参謀本部は声明で「北朝鮮の主張の真偽は確認できない」とコメント。
(引用ここまで)
昨日、北朝鮮当局が唐突に「韓国のドローンがビラをばらまいている」と発表して、韓国に対して非難声明を出しました。
かなり唐突な話なのですが。
その証拠として出してきた画像がこちら。![]()
左がドローンで、右側のもやっとしたものが投下されたビラだとのこと。
まず、現在の韓国がこうした行動に出ることはかなり考えにくいです。
あるとしたら北朝鮮の自作自演。
こうして非難することで「韓国にドローンを飛ばすことは正当な報復である」とするか、あるいはそれ以上に限定的な打撃を与える可能性があります。
1月にキム・ジョンウンは「韓国が我が国の領土、領空、領海を0.001ミリでも侵害すれば、それは戦争挑発とみなす」と言明しています。
北朝鮮・金総書記“韓国と統一はできない” 憲法改正が必要と「最高人民会議」で訴え(日テレNEWS)
金総書記は施政方針演説で、韓国をめぐっては「“兄弟殺し”の意識が植え付けられた大韓民国と統一の道を歩むことはできない」と強調しました。
その上で、「主権と統制が独立した国家として法的措置をとる必要がある」と述べ、韓国を別の国家と認定するために北朝鮮の憲法を改正する考えを明らかにしました。さらに韓国に対し、「領土や領海を0.001ミリでも侵犯すれば、戦争挑発とみなす」と警告しています。
(引用ここまで)
「すでに警告している」のが北朝鮮側の前提であることに注意が必要であると感じます。
これを受けて1月に北朝鮮専門家が「北朝鮮は戦争を考慮しているのかもしれない」と警告するレポートを38ノースに掲載しています。
そしてさらについ先日、フォーリンポリシー誌にも同様の「朝鮮半島における戦争リスクはかつてないほどに上昇している」とするレポートが掲載されています。
専門家からの視線では戦争リスク、あるいは限定的な攻撃リスクが上昇しているのは実際なのでしょう。
今回の「ドローンによるビラ散布」は北朝鮮がいうところの「0.001ミリでも領土、領空を侵犯すれば〜」との談話に当てはまっているわけです。
たとえ自作自演であったとしても。
まあ、この言い方は北朝鮮のテンプレみたいなもんで2010年頃にもほぼ同じ文言を述べてはいるのですが。
さらに北朝鮮の国内事情的にも追いこまれている可能性があります。去年から飢餓、餓死が報告されていて不満が高まっているのではないかと伝えられているのですね。
北朝鮮、首都でも「近所の人が餓死」 国民がBBCに苦境を語る(BBC)
こちらは去年6月の記事。
食糧事情が改善されているとの話は耳にしません。
このあたりの事情を組み合わせると「あり得る」と感じられていたのですよ。
そこに今回のおそらくは自作自演のドローン騒ぎ。
まあ……ちょっと覚悟は必要かもしれません。