中国でJPOPブーム鮮明になる

先日、浜崎あゆみの公演が中国の最大アリーナで2日間行われた。最初は1日だけの予定だったが1分で完売した為、急遽公演が追加されたが、それも一瞬で完売したという。この公演はテイラー・スウィフトやジャスティン・ビーバーなど全ての海外アーチストを超えて過去最大の収容人数を記録したとのこと。
上海を拠点にアーティストのコンサートを手掛ける海日娯楽傳媒(香港)有限公司(以下、海日)。同社の代表取締役社長の庄磊氏に直近の中国市場でJPOPが如何に中国の若年層に浸透しているのかを聞かせていただいた。
海日は中国が“ゼロコロナ”政策を2023年初頭まで実施したため、実質3年間は事業がストップした。中華圏で日本のアーティストの興行が再開したのは2023年夏頃。海日は8月13日のGARNiDELiAのマカオ公演で3年半ぶりにリスタートを切った。
庄氏によれば、中国の動画配信プラットフォーム・Youkuやbilibili、音楽配信プラットフォームのQQ MusicやNetEase Cloud Music、SNSではInstagramに相当するRED、X(旧Twitter)に相当するWeiboなどがコロナ禍のステイホーム期間中頻繁に視聴され、中国のユーザーが日本のアーティストのコンテンツに接触する頻度や再生回数も急激に伸びたという。これが結果的に中国のファンの飢餓感を煽り、コロナ明けの公演に人々が殺到することとなった。
事実、海日がコロナ明けからこれまで主催したうち前述のGARNiDELiA マカオ公演、家入レオ 上海公演、RAISE A SUILEN上海公演など計6公演が瞬く間にSOLD OUTしている。
他社ではKing GnuやBand-Maid、Babymetal、Fujii Kaze、ONE OK ROCK、ずっと真夜中でいいのに。Hitsujibungakuの中華圏公演が一瞬で完売し、追加公演を発表している。
最もJPOPに心酔しているのはアニメに熱中している若年層だが、ミーシャや浜崎あゆみのケースでも分かるように中高年から若年層まで、全ての年代から聞かれてるのが日本の音楽の特徴だ。この半年間の中国での公演数は確実に増加している。海日もここ数カ月間ほぼ毎週末のようにコンサート、ファンミーティング、イベントなどが目白押しだ。公演数もさることながら、これまではなかなか日本以外のアジア圏に足を延ばさなかった宇多田ヒカル、浜崎あゆみなどのビッグネームが中華圏で公演を行なうという状況が起きている。
これは現地ファンの飢餓感を察したプロモーターからのリクエストが日本のマネジメントに殺到していることで、それまで万が一の赤字を考慮して海外公演に躊躇ぎみだった日本のマネジメントやアーティストがYOASOBIらのグローバルチャートや海外SOLD OUT公演に背中を押されていることが背景にあると考えられる。
日本側の変化も大きい、特に日本側のそれとして感じたのは、公演中の撮影に寛容になった点である。日本のアーティストは、国内はおろか海外公演でも撮影に対して非常にナーバスであった。肖像権や原盤権を守る立場のレーベルやマネジメントからすれば当たり前のことであるが、SNS拡散によるマーケティングの一環として、スマホ撮影をOKとする海外アーティストが多いのが現状である。日本でも数年前から藤井フミヤ、浜崎あゆみ、SEKAI NO OWARIなど少数ではあるが、条件を設けながら公演中の撮影を許可するアーティストも現れている。YOASOBIは録音・録画は禁止と謳いつつ、スマホでの静止画撮影をOKとしている。日本側に意識の変化が表れていることは紛れもない事実である。ちなみに、家入レオの深圳公演は「アンコール1曲のみ撮影OK」としていた。
