実験棟「きぼう」の完成で、日本は悲願だった有人宇宙施設を手に入れた。さまざまな科学実験を独自に行え、宇宙開発は新時代へ大きく動き出す。ただ、巨額の投資に見合う成果を出すのは難しいのが実情で、先行きには不透明感が漂う。
きぼうの完成で、日本の技術力が宇宙で実証された意義は大きい。長期滞在飛行士と地上の連携による運用経験は、今後の宇宙開発の重要な技術基盤になる。問題はその成果にある。きぼうの完成は当初予¥定から14年も遅れ、実験内容の陳腐化が指摘され、新産業創出や技術革新につながる画期的な成果は期待薄との見方が強い。
米国はスペースシャトルを来年で打ち切り、月面有人探査を目指す計画を2004年に発表¥。「ポストISS」へ戦略転換に踏み切った。ISSで思うような成果を出せず、“店じまい”の準備に入った格好だ。日欧露はISSの16年以降の運用継続を求めているが、米国は明確な態度を示していない。きぼうは完成にこぎつけながら、10年間の設計寿命を全うできずに役割を終える可能¥性もある。
きぼうの費用は本体の開発費のほか、ISSへの物資補給機「HTV」の打ち上げなどで今後も年 400億円の負担が続き、総額は1兆円規模に及ぶ。きぼうの成否がはっきりするのは数年後だが、政府は来年、有人宇宙開発の将来計画をまとめるという。先を急ぐだけでは「技術あって戦略なし」の現状から脱却できない。費用対効果や、米国依存型の国際協調の問題点を十¥分に検証する必要がある。
(長内洋介)
24年と1兆円もかけて7年程度の寿命だと「しつぼう」ですねwww