世界で最も歩きやすい都市ランキングで東京が6位に。アジアで唯一のトップ10入り、治安や利便性など8項目で評価
1. ミュンヘン(ドイツ)
2. ミラノ(イタリア)
3. ワルシャワ(ポーランド)
4. ヘルシンキ(フィンランド)
5. パリ(フランス)
6. 東京(日本)
7. マドリード(スペイン)
8. オスロ(ノルウェー)
9. コペンハーゲン(デンマーク)
10. アムステルダム(オランダ)
世界の歩きやすい街ランキング2024(出所:Compare the Market、図版提供:NewsPicksパブリッシング)
世界で最も歩きやすい都市ランキングで東京が6位に──。治安や公共交通機関の充実度など8項目による評価で、アジアで唯一のトップ10入りを果たしました。
都市の歩きやすさは、実は重要な社会指標。米国の研究では、歩きやすい街ほど活動格差が小さく、特に女性の活動量が確保されているというのです。
『歩く マジで人生が変わる習慣』を上梓した経済ジャーナリストの池田光史氏が、東京の強みから、これからの都市のあり方を考えます。
※本稿は『歩く マジで人生が変わる習慣』(NewsPicksパブリッシング)の一部を再編集したものです。
歩きやすい街ランキング
実は、香港とインドネシアがそれぞれ歩数のベスト1位・ワースト1位だったことも、この「都市の歩きやすさ」が要素として大きく影響している。
米国の69都市のデータによれば、歩きやすい都市ほど、活動格差が小さい、つまり人々が平等に歩いていることが判明した。
そして、歩きやすさのスコアが低い場所では、女性の活動もまた、男性よりも低いことを、この研究チームは発見している。
そして、この「都市の歩きやすさ」は、公共交通機関の充実に加えて、治安の善し悪しに左右される。
特に治安が悪い場合、女性が歩くことはままならないことは「歴史的にも示されている」と、歴史家でアクティビストのレベッカ・ソルニットは著書『ウォークス─歩くことの精神史』の中で断じている。
いや、外を散歩すること自体が、かつては白人男性の特権だった、というほうが正しい。
それもそのはずで、黒人男性が歩いていたら逮捕されるし、女性はもっと危険な目にあう。1人で安全に歩ける時代のほうがまれで、だからよく歩くことで知られる過去の偉人たちが白人男性ばかりだったのも合点がいく。
話を元に戻そう。
A 地点からB 地点まで移動するのに幹線道路を使わなければならない場合は、歩行性は低く、人々は車に頼るだろう。一方で、同様の移動を歩いて達成できる街では当然、歩行性が高くなる。
これは、日本のケースで考えると、僕たちにとってはよりわかりやすい。都道府県別の歩数を見ると、あらゆる統計を見ても全国1位なのが、実は東京だ。
たとえば、デジタル地図を手掛けるジオテクノロジーズが東京大学の樋野公宏准教授とともに2023年に発表した歩数データによれば、全国平均は1日5009歩。その中で、東京はやはり6136歩でトップだった(※1)。
どこへ行くにも徒歩圏か、公共交通機関の利便性が高いからだ。
一方で、僕の出身地である鹿児島県を考えれば容易に想像がつくのは、基本的には職場であれスーパーであれ役所であれ、日常生活の移動に車が不可欠な、典型的な車社会ということだ。
必然的に、歩数は下位に位置していることだろう(発表データには10位までしか公表されていないが)。
そして、これをさらに世界規模で見たときに、歩ける街として注目されているのも、東京という都市だ。米保険会社Compare The Marketが2024年に発表した「世界で最も歩きやすい都市ランキング」(※2)では、東京が6位にランクインした。
これは、まさに治安や公共交通機関の利便性など8項目で評価されていて、東京はアジアの都市で唯一トップ10入りしている。
その中身を見ていくと、東京は特に「ウォーキングコース数」のスコアがトップタイで高い評価を得ていることが分かる。
ウォーキングコース、つまり登山者数世界一の山としてギネスブックにも認定される高尾山もあれば、東京にありながら日本一の巨樹本数を誇る、僕のお気に入りの奥多摩も魅力の一つだろう。