ロシア包囲網の形成を
欧州安保協力機構¥(OSCE)は7月上旬、「大量虐殺と人道に対する罪を犯した点でファシズムとスターリニズムは同等である」とし、その犠牲者を追悼する決議を採択した。ソ¥連からの独立を叫んだバルト三国の「人間の鎖」も8月23日でちょうど20年を迎え、三国は種々の関連行事を催す。
OSCEの決議採択には、ロシア政界から批判が相次いだ。「大戦中に2700万人の国民を失ってまで、ヒトラーのドイツから欧州を解放したソ¥連の貢献を評価していない」という論理である。
だが、ソ¥連は大戦後、東欧に衛星国を築き、約40年にもわたり、その自由を奪った。半世紀もソ¥連に占領、併合されたバルト三国の人々の苦難については言うまでもなかろう。「評価せよ」との理屈がいかに的はずれか、である。
◆ロシアが恐れるもの
戦争で領土を拡張する一方、国内では大量粛清をしたスターリンについて、現代ロシアの研究者はどう判断しているのだろうか。
モスクワにある極東研究所のビクトル・パブリャテンコ氏は、フルシチョフによるスターリン批判を例に、「彼を否定していないとでもいうのか」と反論した。そのうえで、多くのソ¥連・ロシア人が粛清で親類や知人を失ったと強調し、「私たちは他の誰より心の奥底で耐えて生きている」と述べ、大戦前後のソ¥連の振る舞いへの反省は、他者に強制されるべきものではない、との見方を示した。
こうした見解を聞くにつけ、ロシアが歴史の節目に当たる今年、大統領に直属する「反歴史捏造(ねつぞう)委員会」を設置した理由も分かる気がする。欧州などでソ¥連の暗部に光を当てる機運が高まる中、「ソ¥連称賛史観」を押し通す下地を作っていると解釈できるからだ。
先の大戦をめぐる日欧の構¥図が異なることは論を待たない。しかし、戦争で影響圏や版図の拡大を図った「スターリンのソ¥連」の犠牲になったという点では、バルトを含む東欧も北方領土も変わりはない。
実際、欧州連合(EU)の代議機関に相当する欧州議会は2005年に、北方領土の日本への返還を求める決議を採択している。
日本もソ¥連・ロシア批判の声を上げる欧州に加わってはどうだろうか。
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/090802/erp0908020302001-n1.htm
欧州議会も2005年に、北方領土の日本への返還を求める決議を採択している。