12世紀前半、東ジャワのクディリ王国に、王国の最盛期を導いたジョヨボヨ (Jayabaya ジャヤバヤ) (位1135以前-1157以後) という王がいた。
- 第3の時代……国内に混乱が生じる。
- 第4の時代……外部から侵入した異民族による支配。
- 第5の時代……北方から黄色い人間の軍隊が来攻、異民族支配を駆逐し、代わって支配するが、
- それはジャグン (トウモロコシ) 一回限り 短い間である。
- 第6の時代……男は女のように、女は男のようになり、世は麻の如く乱れるが、やがて白馬にまたがる救世主が登場し、永遠の平和と幸福が約束される。
ジョヨボヨの予言は、「世界の終末に救世主が現れ苦難の人々を救う」という典型的なメシア式予言で、そこにはイスラムの終末思想からの影響が見られると言われる。
ジョヨボヨはもしかすると現代を見通していたのかも知れない。
あるジョヨボヨ予言は次のように述べる。
予言通り「黄色い人間」が白人を追い出す時がやってきた。
1942年、日本軍はインドネシアに侵攻、オランダをあっという間に降伏させた。
ジョヨボヨの予言を知る者にとっては、これこそ予言の成就でなくて何であろうか。
日本軍は、やがて来るべき救世主の露払いとして、インドネシアの各地で紅白旗(インドネシア国旗)と国歌「インドネシア・ラヤ」の大合唱で迎えられた、というのは有名な話である。
しかしながら、日本の軍政支配は予言通り(?)「トウモロコシが育つまでの」3年半で終わり、インドネシアは独立した。
オランダ支配に反抗してジャワ戦争 (1825-1830) を引き起こしたジャワの王子ディポヌゴロも、「ラトゥ・アディル」「ヘルチョクロ」と名乗った。
1870~71年にもバニュマス地方でキヤイ・ヌルハキムによるラトゥ・アディル待望運動が起こった。
こうした「千年王国運動」「救世主待望論」としてのラトゥ・アディル運動は、しばしば農民反乱の契機となった。
インドネシア独立後も、スカルノ初代大統領が「スルタン・ヘルチョクロ」だったとか、スハルト第2代大統領が「開発の王」としての「スルタン・ヘルチョクロ」だとかいう議論があった。
それほどにラトゥ・アディルの概念はジャワ人の間で根強いものであったわけだ。
現在のインドネシアの若い国民は、ジョヨボヨの予言を忘れつつある。
しかし、1999年6月に行われる21世紀のインドネシア大統領を決める総選挙に関するパラノルマル (超能力者) の予言は、ジョヨボヨ予言と極めて似たものだ。
例えばインドネシア人の預言者として有名なプルマディ (Permadi) 氏曰く、
オランダからの独立戦争、9月30日事件とスハルトの恐怖政治、その崩壊後の混沌……と、苦難の道を歩み続けるインドネシア国民にとって、ジョヨボヨ予言は願望の結晶として、現在も形を変えて生き続けるのではなかろうか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー「黄色い人間」が白人を追い出す時がやってきた。
1942年、日本軍はインドネシアに侵攻、オランダをあっという間に降伏させた。
しかしながら、日本の軍政支配は予言通り(?)「トウモロコシが育つまでの」3年半で終わり、
インドネシアは独立した。
予言の通り、日本軍はいなくなった