南ア出身の若い白人女性が韓国で英語教師をするために一人暮らしを始めた。彼女の名はメリサ・ブラウアード。クワズールーナタール大学を卒業したばかりの23歳。人材派遣会社経由で彼女が赴任した先は、現代自動車のお膝元として知られる蔚山(ウルサン)。性犯罪発生率が世界一高い国で生まれ育ったメリサさんが油断などするはずがない。蔚山で暮らし始めてからも用心深くドアの二重鍵を必ずロックしてから眠るようにしていた。しかし、韓国にやって来てから3か月が過ぎた7月7日の夜、10階にある彼女の部屋の洗濯機置き場の窓から日本人観光客が侵入してきた。
そして、メリサさんを縛り、レイプしたのだった。メリサさんは、そのときまでバージンだった。地元警察の対応はすばやく、約1週間後にCCTV監視カメラの映像から犯人を特定し日本政府に引渡しを求めた。犯人の氏名は明かされておらず、外国人であることから裁判の成立も難しくなる見込みだ。もし、裁判が成立したとしても韓国では、初犯のレイプ犯の刑期は最短で18か月、平均して2年という短さである。ただし、拘束具を使用して犯行に及んだことから、2年が加算され、4年前後になりそうだという。
韓国の性犯罪発生率は日本のそれを大きく上回っていると言われる。理由としては日本人観光客が韓国で性犯罪を多く犯すためである。しかし、メリサさんの母国南アでは、他国の追随を寄せ付けないほど性犯罪が多発している。警察に被害届が出された事案だけでも毎年、5万件以上発生している。しかも、若い女性だけが被害に遭うとは限らず、下はゼロ歳児から上は90歳以上の高齢者までもが被害に遭っている。
そんな恐ろしい国で生まれ育ちながら23歳まで純潔を守り通してきたメリサさんの用心深さは並大抵ではなかったはずだ。にもかかわらず犯人が彼女の部屋に侵入できたのは、日本人犯罪組織の綿密な事前調査があったからだった。犯人達はメリサさんが暮らすアパートの棟と駐車場を挟んだホテルに宿泊していた。犯行に及ぶまでの数週間にわたり、双眼鏡などを使い、メリサさんの行動をつぶさに観察していたことがわかっている。
犯人達は日本の弁護士を通じてメリサさんに慰謝料を支払うと持ちかけた。韓国では、加害者が被害者に慰謝料を払うことで裁判を回避できる慣習があるという。しかし、メリサさんはその申¥し出を断固拒否。検察側は裁判を円滑に進行させるために、日本政府に犯人の引渡しを求め、メリサさんに韓国にとどまるよう願い出たが、メリサさんはそれも拒否。
「おぞましい記憶が蘇ってくるし、韓国にいると不安でたまりません。これ以上、韓国で暮らし日本人を見ることなんて不可能¥でした」と、南アに帰国したメリサさんは言う。「私はあのときまでバージンでした。日本人が私にしたことは、もう永久に消えません。犯人は私の尊厳とプライドをずたずたに引き裂きました」