南シナ海領土問題 米への急接近 中国、ベトナム批判強める
8月8日7時58分配信 産経新聞
【北京=矢板明夫】中国とベトナムの関係がぎくしゃくしている。東南アジアで経済・軍事的影響力を拡大させる中国に警戒を強めていたベトナムが最近、米国との協力関係を強化、これに中国側が疑心を募らせている。8月に入ってから双方の非難合戦は激しさを増すばかりだ。
中国外務省の姜瑜報道官は6日、定例会見が行われない夏季休暇中にもかかわらず、国内メディアの記者の質問に答える形で、ベトナムに関する2つの問題でコメントを発表した。
1つ目は、中越両国が領有権を主張する南シナ海のパラセル(中国名、西沙)諸島問題。同海域で中国の船舶が活動していたことについて、今月、「主権侵害だ」と中国を批判したベトナム政府に対し、「中国の西沙諸島への主権を侵犯するいかなる言動にも中国は断固反対する」と強い調子で反発した。
2つ目は、米越原子力協定交渉についてで、米国がベトナムにウラン濃縮を例外的に容認するとの報道に、「各国は核の平和利用と国際協力の権利を有するが、核不拡散への義務も順守すべきだ」と不快感を表明した。
1979年の中越戦争以降、中国とベトナムは民間貿易などを通じて少しずつ関係を好転させ、91年に国交を回復した。近年は両国首脳が相互訪問するほどの関係にまで発展していたものの、未解決の領土問題のほか、ベトナムに進出する中国企業への住民の反発など、対立の火種を抱えているのが実情だった。
こうした中越両国の微妙な関係に影響を与えたのが、対東南アジア外交に力を入れ始めた米国だ。クリントン米国務長官が7月下旬、安全保障や経済、環境問題でベトナムと協力を強化する方針を発表。中国と東南アジア諸国などが領有権を争うスプラトリー(中国名、南沙)諸島や、パラセル諸島を抱える南シナ海への関与姿勢も示した。
こうした中、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは7日、中国人民解放軍が広東省韶関(しょうかん)にミサイル基地を新設、数週間前に戦略核ミサイル部隊を配属したと報じた。南沙・西沙諸島の大半を射程に入れる弾道ミサイルが配備される可能性があるという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100808-00000091-san-int