米紙ウォールストリート・ジャーナルは「もう1つの中国を忘れるな」と題した記事
投資家の注目は長年、この「中華帝国」が“農業を主体とする共産主義”から“工業を主体とする資本主義”
へと驚くべき速さで転換していく姿だった。投資家はこれを千載一遇の好機ととらえた向きが多かったが、
強力なライバルの出現に頭を抱えた人も大勢いたのではないか。今や猛スピードで増えていく
摩天楼と不夜城が、我々の知る中国の一部となっている。
だが、中国にはもう1つの顔がある。中国が抱える問題は、債務危機で疲弊した欧州各国でさえ
代わりたいとは思わないほど深刻だ。世界の人口の約 22%を養わなければならない中国だが、
その国土面積は世界のわずか7%。お腹を空かせながら薄型テレビやiPadを眺めても意味がない。
産業の中心を農業に転換させない限り、中国は「食糧の自給自足」という闘いに敗れるだろう。
工業化というのは、水や土地が足りなくても食べ物は輸入でまかなえば良く、
豊かな労働力が工業製品を大量に生産し、それを輸出するというもの。
中国は後者の部分で優秀な姿を見せているが、前者の状況は芳しくない。
豊かになった人たちはさらに多くの蛋白質をとりたがり、肉類を食べたがる。中国人の生活レベルの
向上に合わせて農業生産高も上がれば問題ないが、今のところそれは実現されていないばかりか
下降の一途をたどっている。中国が食糧輸入を増やすということは、中国国内の食品価格は
永遠に高いままということだ。
1979年のイラン革命や1917年のロシア革命、1789年のフランス革命は、いずれも革命の前触れとして
食品価格の高騰が見られた。中国の場合は果たしてどうなるのだろうか。