中国でまた反日デモ 産経記者ら「前線取調室」に拘束
産経新聞 10月23日(土)17時28分配信
【徳陽(中国四川省)=河崎真澄】学生らがインターネット上で反日デモを呼びかけていた中国四川省徳陽市で23日、千人規模の反日デモが行われた。公安当局は正午(日本時間午後1時)過ぎ、現場付近にいた日本のメディアを含む外国人記者ら5、6人の身柄を「安全確保」を理由に相次ぎ拘束、取材活動を妨害した。当局は国内外のメディアへの報道規制を強める構えだ。徳陽市での反日デモの呼びかけは、同日午後2時に文廟広場に集合するようネット上で先週末から広がっていた。23日は、同広場に全面的に非常線が張られ、立ち入りが禁じられた。大学などは事前に、デモに参加した学生を処分すると緊急通知していたが、広場周辺ではやじ馬を巻き込み、参加者は千人規模に膨らんだ。
大学側は23日が土曜日であるにもかかわらず、「通常授業を行う」と22日になって通知したといい、広場近くを歩いていた地元の男子大学生は「午後の授業に出ないと退学させられると聞かされた」と、首をすくめた。
一方、記者(河崎)らの拘束は、市内広場前で写真を撮影していた際に起きた。2人の公安関係者に突然囲まれ、車に強制的に乗せられた後、広場近くの「前線取調室」に押し込まれた。パスポートや記者証を入念にチェックされ事情聴取された後、取調室内に完全に閉じこめられる形となった。
公安当局は「反日デモに備え、日本人の安全を確保する」と拘束理由を説明したが、拘束された大半はNHKも含む日本人記者で、旅行者などはいなかった。
拘束は約2時間に及び、その後、市外へ強制退去させられた。
徳陽市は、17日に1万人以上が参加して、一部が暴徒化した四川省綿陽に隣接しており、2年前の四川大地震では大きな被害を被った地域。農村の貧困問題など経済格差への不満が、マグマのように渦巻いている。
この週末に反日デモがネット上で呼びかけられたのは、徳陽のほか甘粛省蘭州市、湖南省長沙市、江蘇省南京市、山東省荷沢市などで、重慶市でも今週末から来週初めにかけて実施される計画となっていた。中国当局は17日に綿陽市などで起きた反日デモで、参加者の一部が日本車を破壊するなど暴徒化した事態を重視、公安当局が大学に対して反日デモへの参加を禁じる通知を出していたという。
一方、関係筋によると、16日に四川省成都など3都市で起きた反日デモについては、地元政府当局が事前にデモの実施を承認していたとされる。ただ、ネットで広がったデモの勢いは当局の想定を超え、承認のない都市にも飛び火し、統制を失っているとの見方もある。
当局は16日に申請を認めながら、その後は一転して規制に動いた背景として、軍部がデモ発生に関与した可能性を指摘する関係者もいる。
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