レアアース 新たな供給源、リサイクル 欧州は脱中国へ
産経新聞 10月28日(木)7時56分配信
【ベルリン=木村正人】レアアース(希土類)の輸出規制を強める中国に対し、米国が多国間協議で圧力をかける動きを見せる中、欧州連合(EU)も「非常に憂慮すべきだ」(欧州委員会)と米国や日本との連携を含め、対応の検討を急いでいる。世界貿易機関(WTO)に提訴したりレアアース備蓄を進めたりするより、新たな供給源確保やリサイクルなど中・長期的解決を目指すべきだとの声も少なくない。
ドイツ産業連盟が26日にベルリンで開いた資源戦略会議。WTOのラミー事務局長は同会議を通じ、WTO提訴に関するメディアの質問には「ノーコメント」を貫いた。
中国が引き続き、国内の環境汚染をレアアース輸出枠削減の口実にした場合、WTOルール違反かどうかは「グレーゾーン」(関係者)といい、WTO提訴に慎重にならざるをえない理由の一つとなっている。
フランス地質調査所のクリスチアン・フォクワォード研究員によると、世界の産出量の97%を占める中国は2005年以降、約6万5千トンだったレアアースの輸出枠を減らし、昨年は約5万トン。今後4年間で、磁石をつくるネオジム▽原子炉制御用材料のジスプロシウム▽光磁気ディスク材料のテルビウム▽セラミックの耐性を増すイットリウムが供給不足になるという。
中国では環境汚染で鉱山の一部が閉鎖され、違法採掘業者取り締まりや産業の合理化・統合が進行中だ。フォクワォード研究員はしかし、「われわれの関心は中国の産出量ではなく消費量にある」と指摘し、昨年8万5千トンだった中国の消費量は15年には13万8千トンに拡大すると予測する。
ドイツのレアアース戦略を立てる同国天然資源研究所のハラルド・エルスナー上級研究員は、強硬な中国の行動を読み解くための単純な公式を示した。(国内産出量-国内消費量=輸出枠)という引き算だ。
「今年はすでに輸出枠がなくなり、輸出を停止せざるを得なかった。尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で日本に輸出停止措置を発動したのは、このカードがどれほど効果があるのか試してみただけだ」と分析する。
欧州委員会は、25日に発表した貿易制限措置に関する報告書で、中国によるレアアースの輸出規制について「市場にゆがみをもたらすものだ」と厳しく批判した。欧州の中で最も強い懸念を抱いているのが、日本と産業構造が似ているドイツだ。
独鉄鋼最大手ティッセンクルップ・スチールのエドウィン・アイヒラー最高経営責任者(CEO)は、「ドイツは資源確保のためロシアや中央アジアなどとの関係を強めるべきだ」と強調する。
ドイツのレアアース戦略は(1)他の資源国との協力(2)リサイクル技術の開発(3)代替物質の研究-が柱で日本に協力を呼びかけている。廃棄処分となった先端機器からレアアースを抽出すると、今後10年間の需要がまかなえるとの見方もある。
ベルリン工科大中国研究所のエバ・シュテルンフェルト所長は、一部の日本企業が進める備蓄について「レアアースは原油とは異なり本当はレア(希少)ではなく、意味がない。しかも中国の埋蔵量は世界の36%にすぎない。“中東に石油あれば、中国にレアアースあり”といみじくも語った中国のトウ小平は短期的には正しいかもしれないが、長期的にはその予測は外れるだろう。日米欧が協力して供給源の多様化を図り、中国の独占状況を崩す必要がある」と指摘した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101028-00000123-san-int
核を持っている国が
「持ってるカードの有効性を試したくなっただけ」
欧州が見る中国とはこの程度の国なんだな。