
ジャカルタの中心部を行く、元 東京メトロ5000系。(Juanda~Gambir間にて)
インドネシアで現在、都市鉄道が走っている都市は、ジャカルタ首都圏(ジャボタベック / ジャボデタベック)のみである。ジャカルタ首都圏は1976年から通勤形電車が走り始め、日本の経済援助により近代化が進行している。2000年からは東京首都圏の鉄道会社からの中古車両の輸入を継続的に行っている。
ジャカルタ、渋滞解消なるか都市高速鉄道構想
http://www.yomiuri.co.jp/column/world/20101122-OYT8T00419.htm?from=navlc
読売新聞 2010.11.22
10月半ばの昼過ぎ。インドネシアの首都ジャカルタ中心部にある日系自動車メーカーの販売店で、同国経済の好調ぶりについて取材した時のことだ。広報担当によると、インドネシアでは年々増加する中間層の購買意欲が旺盛で、車が飛ぶように売れており、「うちもほぼ毎月、目標販売台数を上回っている」とほくほく顔。今年は国全体の販売台数が80万台に達する勢いで、東南アジアで初めてタイを抜いてトップに立つ可能性が高いという。そして、日本車の人気が圧倒的で、市場占有率は9割以上を誇る。「他国のメーカーが入り込む余地はありませんね」。広報担当の言葉に、今更ながら優れた車作りに精進してきた日系メーカーを誇りに思った。
ちょっといい気分のまま、支局にもどろうと車に乗り込んだ。もちろん日本車だ。
ところが、雇っている運転手が車から降り、あきれたように両手を広げる。一瞬「故障か」と思ったが、運転手の目をやる方を見て合点がいった。通りが大渋滞で車やバイクの流れが完全にとまり、販売店から出られない状態なのだ。
確かにジャカルタの渋滞はひどい。車の平均速度は毎時8キロ台ともいわれ、タイのバンコクが、高架鉄道が整備される前に「世界一の渋滞都市」と評された頃と似た状況という。夕方には、支局から10キロ離れた取材先に行くのに2時間かかったこともある。ジャカルタ近郊の私邸から大統領府に向かうユドヨノ大統領の車列が「渋滞の一因」だと批判する投書が数か月前、地元有力紙に掲載され、この読者のいらだちを気にかけた大統領は一時、ヘリコプター通勤を真剣に検討したという。
もちろん、ジャカルタ市当局も座視しているわけではない。渋滞緩和の切り札として、2005年にはモノレール建設にゴーサインを出した。ところが開発業者の資金繰り悪化で、1年余で頓挫してしまった。主要道にはレールを支えるはずだった作りかけのコンクリートの柱がいくつも放置されている。日本から来た友人は「現在芸術のオブジェか」と感心していたが、渋滞に苦しんでいる身としては、見る度にため息がでる。
今、市民の期待を集めているのが、日本の支援で建設が予定される都市高速鉄道だ。人口急増中の首都南部と中心部の約15キロを高架鉄道と地下鉄で結ぶ。ただ、営業運転の開始は早くても5年先になるという。