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JBpress 2010.11.24
日本人は自分たちを過小評価しすぎる
18日から21日までの4日間、ルーブル美術館に隣接する多目的ホールに世界中から写真ギャラリーが集う。
平日の午前中でもかなりのにぎわいを見せる会場で1年ぶりに再会したこのイベントの総指揮官ともいえるギヨーム・ピアンス氏は、私の顔を見るやいなや、「日本作品の評判が、すごくいいですよ」と、握手をするよりも早く、そう勢いこんだ。
今回が14回目となる「PARIS PHOTO」では、一昨年からテーマ国を決めて、その土地の写真家やギャラリーの作品にスポットを当てた展開をしており、今年は東欧がそれに当たる。アンドレ・ケルテス、ブラッサイ、ロバート・キャパ・・・。
写真にさほど詳しくない方でも、名前は耳にしたことがあるかもしれないこれら歴史的写真家たちは、いずれも東欧の出身ということで、会場には、彼らのヴィンテージプリントが多く見られた。
そして、ピアンス氏も言ったように、特に目を引いたのが、昨年にも増して日本人写真家の作品の多いこと。
「大コレクターや、インスティチュートの方々からお褒めの言葉をいただいているくらいです。『日本の存在感は重要だね』と」
写真の世界マーケットでは、いよいよ日本がモテモテという状態らしい。
ちなみに、彼が言う大コレクターや、インスティチュートとは、米国にある多数の美術館やエルメス財団、個人の資産家などを指す。
写真の世界では日本はアジアでダントツの第1位
ブースの壁一面を使い、まるで1人の作家の個展のような様相で、畠山直哉氏の「Live Box」のシリーズを展示していた「SAGE Paris」ギャラリーのオーナー、フランソワ・サージュ氏は、3大写真大国の筆頭として、まず日本を挙げる。
次がアメリカで、あとはドイツ。自身の母国であるフランスは入っていない。
「もちろんこれは全くの私観、趣味です。けれども、日本の作家の写真はいつも意外性があって、素晴らしいと思っています。とくに黒の深み。硯で墨を磨るのに通じるものがありますね」
また、ドイツはケルンがベースで、欧米の美術館にいち早く日本の写真を提供したという、いわばパイオニアでもあるプリスカ・パスケ女史のブースには、森山大道氏、高梨豊氏など、既に定評のある作家に始まり、川内倫子氏、志賀理江子氏など、最近の木村伊兵衛賞受賞者の作品が並び、それはまるで現代日本写真のパノラマのようだ。
首をひねって眺めていた私の脇に、英語圏のご婦人ふたりが並び立ち、うっとりとし出した。
「お好きですか?」と問えば、「ものすごくいいわぁ。Offな感じが・・・」と、赤いポッチがもう1つ追加されそうな気配すら感じさせている。
予想以上の売れ行きに頬を緩ませているブースのオーナーに、「こういうのが受けるんですね」と声をかければ、こちらのいまひとつ合点がいかない表情を察して、ややいたずらっぽい笑顔でこう返してきた。
「自分たちを過小評価していませんか?」
そう。この言に通じるニュアンスは、ごく最近、別の場面でも耳にした。このコラムでも紹介した、ベルサイユ宮殿の村上隆展の時だ。

7点ひと組、限定15。1974年に撮影したもの。ちなみに価格は約80万円で、サロン2日目にして、すでに7件の売約があっ た