米メディア、政府・東電の情報公開不手際を非難
2011.3.15 22:54 (1/2ページ)
福島第1原発について記者会見する東京電力の担当者(左側)=15日午後、東京都千代田区
【ワシントン=柿内公輔】福島第1原発の事故をめぐり、国際社会で日本政府や東京電力の情報公開の不手際に対する非難が目立ち始めた。
世界最大の原発市場として有望視される米国のメディアは、炉心溶融や爆発連鎖の危険を警告するとともに、技術的な問題についても日本メディア以上に詳報している。
ワシントン・ポスト紙は「日本の当局筋は『原発周辺の放射線の増加は微量』と強調していた。しかし、影響が及ぶ地域は拡大しているる」と指摘。15日も連鎖的に広がった爆発に、CNNテレビは「東電がまたウソをついた」と憤りを隠さない。
これまで抑制的な報道に努めてきた保守系のウォールストリート・ジャーナル紙も「原子炉格納容器は堅牢(けんろう)で大量の放射能漏れは防いでいる」と強調した当局者の発言に、「今や復旧作業は大きく後退した」とかみついた。
また、「最悪のシナリオでも、日本は(旧ソ連の)チェルノブイリと同じ状態にはならない」と言い切った枝野幸男官房長官の発言に、多くの米メディアは懐疑 のまなざしを向けた。このうちニューヨーク・タイムズ紙は「福島第1原発で起きている問題は、チェルノブイリ以来最も深刻のようにみえる」と批判。米メ ディアは「複数の原子炉で炉心溶融が起きかねない」とこぞって危機感を示していたが、事態は“予告”通りになりかねない深刻な状況にある。
14日付のニューヨーク・タイムズ紙は原子炉の図解とともに、炉心溶融の仕組みや原因を解説。同紙は以前にも、「冷却水を外部に求めざるをえない構 造が問題」とする専門家の分析を紹介した。3号機で用いられる使用済み燃料を加工したプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)も、多くの米メディアが 「通常の燃料より温度が上がる」と危険性を指摘していた。「壊れた原子炉を制御する闘いは最も難しい局面」(ワシントン・ポスト紙)と懸念しており、「新たな不安に直面した米原子力産業」(ニューヨーク・タイムズ紙)を意識した報道が続きそうだ。