東日本大震災で被災し、深刻な事態が続いている東京電力福島第1原発3号機で24日、復旧作業にあたっていた男性作業員3人が、高い放射線量の被ばくをしていた可能性があることが判明した。ベータ線による熱傷の疑いがあるという。
福島第1原発では、水素爆発などが相次ぎ、作業現場の放射線量が高くなっている。従来、原発で働く作業員の被ばく線量の限度は年間50ミリシーベルトで、緊急作業時は100ミリシーベルトだった。厚生労働省は、この事故に対応する特例として、限度を250ミリシーベルトに引き上げた。被ばくした作業員は、放射線を遮蔽(しゃへい)する防護服を着ていたというが、高い放射線量を浴びた。
一度に100ミリシーベルト以上被ばくすると、がんになる確率がやや高くなるとされている。
中川恵一・東京大付属病院准教授(放射線医学)は「発がんの危険性が上がるレベルの被ばくだ。作業員の安全管理を見直すべきだ」と話し、防護服の着用や、被ばく量を計測する線量計の使用法の徹底を求めた。
小出裕章・京都大原子炉実験所助教は「今回の被ばくは、敷地全体が汚染されていることの表れだ。電源が回復し、一つ一つの機器を動かしていく段階だが、多くの作業員が大量の被ばくを覚悟しなければいけない。被ばく限度を引き上げても、すぐに限界に達する状態だ。次々と人が必要になるが、特殊技能を持った人員は確保できるのか。先行きが心配だ」と話す。
放射線熱傷
強い放射線量を持つ物質が付着して起きる皮膚の損傷。アルファ線やベータ線、ガンマ線など放射線の種類で障害の程度が異なる。ベータ線はアルファ線に比べて真皮まで到達する透過力があり、皮膚に与える影響は大きい。症状は軽度の場合、紅斑や痛みが生じ、数日後に軽快する。重度の場合、水疱(すいほう)や潰瘍が生じる。治療では感染症を防ぎながら再生するのを待つのが基本だが、治らなければ皮膚移植をする場合がある。