案の定と言うべきか。民主党議員によると、首相官邸に「被爆者の会」ができたという。放射線にさらされる「被曝」ではない。官邸の主、首相・菅直人の怒鳴り声で傷つく人が次々と出てきているという意味だ。
3月11日の巨大地震、津波、原発事故から2週間余が経過した政権の実相は、菅の関与をできるかぎり減らし、前官房長官・仙谷由人を急きょ副長官に起用するなどツギハギで乗り切ろうする姿だった。
仙谷が官房副長官に起用されたのは震災発生から6日後の17日。それまでは「政治主導」の名の下に進められた政権運営によって、官僚機構がほとんど機能していなかった。各省が独自に動いて官邸に知られようものならストップがかかるありさまだった。
しかし、仙谷が20日、首相官邸に各府省次官を呼び、「目詰まりを起こしているところがあれば、私が責任を持って対処するので言ってほしい」と要請した。仙谷が責任を持つ姿勢を示したことによって、官僚機構がようやく機能するようになった。
だが、冷静に見るなら、仙谷が官邸に入らなければ、官僚機構が動かないのは実におかしなことだ。本来、この仕事は首相が行うべき任務である。
(中略)
視察には東電との関係でやむを得ない事情もあるのだが、東電怒鳴り込み事件と、入閣打診には開いた口がふさがらない。
時の首相が民間企業に乗り込み、「(社員の)撤退などあり得ない。覚悟を決めてください。撤退した時には、東電は百パーセントつぶれます」と怒鳴ることなどかつてなかったことだ。しかも3時間も東電に滞在した。
もちろん、計画停電、原発事故への対応、情報隠しなど、東電には腹が立つ。だからといって、首相が午前5時半に乗り込んで怒声を浴びせることはあるまい。経済産業省の副大臣か政務官に命じてやらせればいいことだ。
ついでに記すなら、首相の発言は会議室のドアで“壁耳”していた時事通信と共同通信の記者が漏れてくる首相の声を聞き取ったことだ。菅はマイクを使って話していたので、会議室の外に声が漏れた。
この首相の言動について、自民党の首相経験者はこう言った。「菅さんの発言は狂気の沙汰だ。あれでは東電の社員が萎縮してしまう。首相ならば、『最終的な 責任はわたしにある。この危機を乗り切るのは皆さんにしかできない。全力を尽くしてほしい』と言うべきだ。これだったら、鳩山由紀夫前首相の方が良かっ た…」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2329

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