韓国への修学旅行にて発生したO111集団感染
中田有美、野崎祐子、中村辰美、川島ひろ子(石川中央保健福祉センター)
櫻井登(金沢市保健所)
はじめに
近年、腸管出血性大腸菌による感染症が頻発するようになり、珍しいことではなくなったが、海外で集団感染して帰国したケースは、まだそれほど多く報告されていない。
我々は、韓国への修学旅行によって起きたO111集団感染を経験したので報告する。
経過
端緒
当所管内M市在住の県立高校2年男子からO111 VT1+VT2+ が検出されたとの届出あり。調査により、6月28日~7月1日の期間に韓国へ修学旅行に行っていることが判明。
下痢や腹痛等の症状を訴える者が2年生357名中107名(30.0%)いたことから、参加者全員の便培養検査を実施。最終的に関係者を含め103名の感染を確認。
細菌学的検査結果
便培養
実施者数 菌陽性者数 菌陽性率 菌型(人数)
2年生 357名 98名 27.5% O111 VT1+VT2+(69名)
O26 VT1+(6名)
O146 VT2+(2名)
O157 VT1+VT2+(1名)
OUT VT1+(14名)
OUT VT2+(1名)
O111 VT1+VT2+・O26 VT1+(3名)
O111 VT1+VT2+・OUT VT1+(2名)
同行した教職員 16名 4名 25.0% O111 VT1+VT2+(3名)
OUT VT1+(1名)
添乗員 4名 0名 0.0% -
菌陽性者の家族 339名 1名 0.3% O111 VT1+VT2+
計 716名 103名 14.4% -
発生原因
喫食調査の結果、韓国での食事にあると思われた。
考察
保健所間の連携
生徒達の住所は3保健所管内にまたがっており、高校はK市保健所管内であった。そのため実際の動きは、学校対応はK市保健所が行い、そこから得た情報に基づいて他の2保健所が動くという複雑なもので、保健所間の情報伝達や意思疎通、全体像の把握等が困難であった。
このような場合、スムーズな連携のためには3保健所のまとめ役が必要である。
海外への修学旅行
海外での感染はこれまでもあったが、ほとんどは散発例であり、集団発生であっても規模は小さかった。しかし近年、修学旅行で海外へ行くようになり、数百人規模の集団感染が簡単に起きるようになってきている。
今後このような事例がますます増える可能性があるので、海外への修学旅行をハイリスクグループと位置付けて、感染予防・早期発見のため保健所が積極的に介入すべきである。
旅行中から複数の発病者がいたにもかかわらず、帰国時の検疫での自己申告は1例(発熱)のみであり、水際での阻止は期待できないことがわかった。
O-111
O157と同じく、人体に有害な大腸菌。
牛糞に含まれるため、大腸からは検出されても、生肉から検出されるのは不自然だ。
肉の分類の管理がずさんか?
牛フン~大腸が混入していたのだろう。
O111(オー いちいちいち、Escherichia coli O111:H-)は、O抗原が111番の大腸菌である。ただし一般には、腸管出血性大腸菌O111:H-のことである。
腸管出血性かつベロ毒素をもつ病原性を示した菌株が発見された大腸菌のO抗原は、O1、O18、O26、O128、O157など多数あり、O111:H-もそのひとつである。ただし同一O抗原の大腸菌の全てがこの病原性をもつことはなく多くの場合は極少数である。
加熱の不十分な食材から感染し、100個程度という極めて少数の菌で発症し感染症・食中毒をおこす。
そのため感染者の便から容易に二次感染が起こる。
この菌はベロ毒素を作り出す。
ベロ毒素は、大腸の粘膜内に取り込まれたのち、リボゾームを破壊し蛋白質の合成を阻害する。
蛋白欠乏状態となった細胞は死滅していくため、感染して2 - 3日後に血便と激しい腹痛(出血性大腸炎)を引き起こす。
また、血液中にもベロ毒素が取り込まれるため、血球や腎臓の尿細管細胞を破壊し、溶血性尿毒症症候群(急性腎不全・溶血性貧血)急性脳症なども起こることがある。急性脳症は死因となることがある。
牛等の糞便等から検出されており、その肉に付着する可能性が高い。その防止のためと畜場では施設改装し対応を行った。なお、牛に感染しても無症状である。
加熱に弱い菌であるため、ハンバーグ等挽肉を原材料とする食品は、その中心温度を75.1℃以上に加熱することが、感染を防ぐために必要である。
また、生レバー、生センマイなどなどは殺菌していないので、子供や高齢者など抵抗力が低い者はこれらを食べないことが最大の予防となる。
下痢止めを服用すると、ベロ毒素が排出されないため、重篤もしくは死亡する。
間違えたw

ハツカネズミ入りキムチ
韓国では便に漬け込む伝統食をまだ食べていますか?