http://www.okamo.okayama-c.ed.jp/siryou/block2.htm
フランスの点字ブロック
視覚障害者誘導用ブロックは、盲人などの視覚障害者を安全に誘導するために地面や床面に敷設されているブロック(プレート)である。安全交通試験研究センターの登録商標である点字ブロックの名でも知られる。ただし、通常の意味での点字は使われていない。
◆点字ブロックの発明
ある日、Sさんは、一人の盲人が道を横切ろうとした際、クラクションを鳴らされその場にうずくまってしまう光景に出会った。その晩から、Sさんは目の不自由な人が安全に歩ける手段はないものか、あれこれアイデアを出した。
眠れないので外に出て寝静まった道路を歩いた。人けのない横断歩道の際に立って目を閉じると、車の速さが恐ろしいものに感じられた。危険な所と安全な所とを区分けする事が必要だと、Sさんは考えた。平らなブロックでは、どこから危険な箇所になるのか分からない。そこで、何か突き出たもののあるブロックを作ろうとした。そのときヒントになったのは、「苔と土の境が靴を通して分かる」と言うIさんの一言であった。一番下の弟・S郎と共に、形・大きさ・突起の形などをあれこれ試行錯誤しながら、ついに点字ブロック第1号を完成させた。昭和40年1月のことであった。
Sさんは、この点字ブロックを日本の各都市・駅に敷き詰めようと考えた。この事業に生涯をかけようと腹を決めたのである。しかし、その事業に必要な費用はどこからも出るはずはなく、すべて旅館業からの利益をあてたのである。
◆世界で初めての点字ブロックの設置
昭和42年、Sさんは、点字ブロックの普及のため、岡山県盲人協会会長・K氏をたずねた。ところが、「何しに来た。とっとと帰れ!」と追い返されてしまった。どこの誰ともわからぬ男が、盲人のためと言いながら金もうけしようとわけの分からぬものを売り込んできたと、誤解されたのであった。
しかし、Sさんはこれにこりず、何回となくK氏をたずねた。やがて、K氏は、点字ブロックの素晴らしさを理解し、また、Sさんの志に心を打たれた。その後、K氏は、Sさんのよき協力者として、点字ブロックの普及につとめるのである。
また、Sさんは点字ブロックを敷いてもらえるよう、何度も岡山県・建設省とかけあった。そして、ついに昭和42年3月、点字ブロックが敷かれることになった。世界で初めて、岡山県立岡山盲学校近くの横断歩道口に、Sさんが寄贈した点字ブロック230枚が設置されたのである。友人・Iさんもかけつけた。セメントも乾かぬ真新しい点字ブロックの上に、Iさんは白い杖をつきながら立ち、これならいけると直感したと言う。

ドイツの点字ブロック
◆普及への道のり
新しい歩道や交差点ができるたびに、Sさんは県や市に点字ブロックを寄贈していった。少しでも、点字ブロックを理解してもらい、普及するためである。そのころ、Sさんは、横断歩道の信号の赤・青・黄を盲人に振動で知らせる振動触知式信号機の開発も行った。この新しい信号機は、盲人から高い評価を受けた。
しかし、この試作品の開発にも多額の費用を必要とした。湯水のごとく出て行く出費に、Sさんは何度となく「もうこのへんでやめようか、手を引く時期ではないか」と悩むのであった。旅館の建物も古くなり、雨漏りはひどく建物もガタガタだった昭和43年9月、これまでの心労がもとで病院のベッドにいたSさんに、うれしい知らせが飛び込んできた。
宇都宮市の交差点に振動触知式信号機16機と、点字ブロック250枚が初めてセットで設置されるという知らせである。それ以後、少しずつ国や県の費用・税金で、点字ブロックが設置されるようになった。国や県が、盲人の暮らしに役立つものと、点字ブロックの価値を認めてくれた証しであった。
曇りきった灰色の空に、やっと念願の青空が顔をのぞかせたのである。日本全国の主な街や駅に設置された点字ブロック。それを発明した人の名も知れず、その設置距離はどんどん伸びていった。Sさんは、それでもうれしかった。

▲LED内蔵の光る誘導ブロック
視覚障害者の安全を軽視した韓国の点字ブロック
http://www.chosunonline.com/news/20090511000054
朝鮮日報 2009.5.11
「デザイン・ソウル通り」は、歩道や街路灯、看板などを、デザイン的要素を採り入れて改造したもので、これまでに市内5カ所、計3060メートルが整備された。だが問題は、これらの道路に設置された点字ブロックの多くが、歩道の色である灰色に近い黒だったり、多くの角度からの光を反射するステンレスで作られているため、視覚障害者たちの安全を脅かしているということだ。全国弱視者連合会のミ・ヨンスン会長は「弱視の人たちにとって、黒い点字ブロックは水たまりのように見え、またステンレスの点字ブロックが反射する光は視界を
混乱させ、通行の邪魔になる」と話している。
「デザイン・ソウル通り」だけでなく、ロッテ百貨店本店の向かいにある明洞入り口の歩道や、崇礼門(南大門)から南大門路や太平路へ渡る横断歩道にも、黒い点字ブロックが設置されている。また、明洞の地下街では点字ブロックの上にガラス戸が設置され、視覚障害者たちが点字ブロックに沿って歩くと、ガラス戸にぶつかることになる。

これに対し、ソウル市と各区は「点字ブロックを黄色とするのはあくまでも勧告であり、必ずしも守らなければならないものではない。外国の都市では、さまざ まな色を使っているケースがよく見られる。安全性の問題については検討し、改善するか否かを決める」と主張しており、論議はまだまだ続くとみられる。