『人喰猪、公民館襲撃す!』 5点(100点満点中)
Chaw 2011年10月22日(土)より、シアターN渋谷にてモーニング&レイトショー他全国順次公開
監督・脚本:シン・ジョンウォン 音楽:キム・ジュンソン 出演:オム・テウン チョン・ユミ チャン・ハンソン ユン・ジェムン
≪デモが起きかねない出来栄え≫
『人喰猪、公民館襲撃す!』は韓国映画界が総力を挙げて送る動物ホラー&パニックムービーで、この秋日本でも大反響を巻き起こすこと確実な超大作エンタテイメントである。
──というのはもちろん嘘で、実際は少なすぎる予算と乏しいアイデア、俳優たちのしょぼくれた演技力と素っ頓狂な脚本を楽しむための、俗にいうC級映画である。
ソウル郊外の平和な過疎村で、若い女性の惨殺死体が発見される。その祖父で元凄腕の射撃手チュンによれば、これは殺人事件ではなく獣の仕業だという。週末に予定していた観光農業を中止すべきだと進言するが、金に目がくらんだ村長は耳を貸さない。だがその傲慢さが、村にさらなる悲劇を巻き起こすのだった。
日本側が『人喰猪、公民館襲撃す!』の配給権をどういう経緯で買い取ったのか、あるいは買うハメになったのかは知らないが、完成版を見たときの宣伝会社の精鋭社員たちの反応は容易に想像がつく。
ハリウッドから招へいしたスタッフの力であろう、CGイノシシだけはいい動きをしているが、その努力を無にするほどのグダグダな脚本。また、韓国人には受けているのかわからないが、クスリとも笑えないとぼけたギャグの数々も、秋だというのに冷房効果満点の出来栄えだ。
結論として、この映画で一番おもしろいのは明らかに邦題であり、いっそそこから企画を初めていれば良かったと思うほどだ。しかし、この邦題はあくまで日本の映画会社が考えたものであって、実際の映画はなんの美も変哲もないド田舎で、魅力ゼロのインチキな搭乗人物たちが右往左往するだけの退屈な話である。
唯一の魅力となるべき怪物イノシシも、いっそ15メートルくらいデカくすればよかったのだがどうも中途半端。怪物映画としては致命的なことに、この映画からはイノシシへの愛が感じられない。だからイノシシのキャラが立っていない。
ただし、その巨大イノシシが誕生したきっかけについてだけは高い評価を与えたい。なぜなら、ここで唐突に日本が登場するからである。韓国の災厄はすべて日本のせい。やはり韓国映画はこうでなくてはならぬと、ここで私は思わず快哉を叫んだ。
http://movie.maeda-y.com/movie/01615.htm
