政府は、27日、外国への武器輸出を認めないとした「武器輸出三原則」に包
括的な例外措置を設け、一定の条件の下に防衛装備品の国際共同開発に参
加できることなどを決め、藤村官房長官が談話を発表することにしています。
政府が、新たに設ける包括的な例外措置によりますと、平和貢献や国際協力で
使用する場合は、防衛装備品の海外移転を認める、また、日本の安全保障や
国際平和に資する場合に限って、アメリカなどとの間で行う防衛装備品の国際
共同開発や共同生産に日本が参加できるとしています。そして、いずれの場合
でも、目的外に使用したり、第三国に移転する場合には日本政府の同意を得る
ことを義務づけています。これによって、国連のPKO=平和維持活動で、自衛
隊が外国で使用した重機やヘルメット、それに防弾チョッキなどをそのまま現地
に供与することができるほか、戦闘機などのハイテク装備を共同で開発・生産す
ることで、コストを抑えられるとしています。政府は、この例外措置について、27
日、安全保障会議を経て閣議に報告したあと、藤村官房長官が談話を発表する
ことにしています。「武器輸出三原則」を巡っては、去年、当時の菅政権が、包括
的な例外措置を設けることを検討していましたが、国会での協力関係を模索し
ていた社民党が「武器輸出三原則を緩和することは認められない」と反発し、見
送った経緯があります。
武器輸出三原則の緩和によって防衛装備品の国際共同開発などが認められ
ることについて、安全保障に詳しい専門家からは「開発にかかるコストの削減に
つながる」などと評価する声がある一方で「日本が開発に加わった武器が戦場
で使用されるおそれもある」として、慎重な対応を求める意見も出ています。海
上自衛隊の護衛艦隊司令官を務め、安全保障に詳しい金田秀昭元海将は「自
衛隊の装備品のほとんどは、これまで国産か輸入かのどちらかに限られ、開発
コストがかかってきたが、共同開発ができればコスト削減につながるほか、外国
の優れた技術を導入できるメリットもある」と評価しています。また、「これまでは
地雷の除去装置なども武器として扱われ、輸出できなかったが、人道支援のた
めにこうした装備品が活用されることになれば、平和の構築にもつながる」と話
しています。一方、国際政治が専門で流通経済大学法学部の植村秀樹教授は
「アメリカはイラクやアフガニスタンで武力行使を行ってきたが、日本がアメリカな
どと装備品の共同開発を行えば、武器として戦場で使用されるおそれもある」と
指摘しています。そのうえで「武器輸出三原則は平和を求める日本の姿勢を示
すものでもあるので、緩和する場合には特に慎重な検討が必要だ」と指摘して
います。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111227/t10014929181000.html