2009年11月15日

JR鳥栖駅の駅舎。折れた柱の部分は修復開始まで囲いで覆われた=鳥栖市
築106年のJR鳥栖駅(佐賀県鳥栖市)の木造駅舎に10月中旬、タクシーが突っ込み、正面に突き出た車寄せの屋根を支える2本の柱のうち1本が損傷した。JR九州は鉄柱で屋根を支える応急処置をし、11月14日から修復に入った。関係者は「1945(昭和20)年8月の鳥栖大空襲でも焼失を免れた文化財級の建物。できるだけ元通りにして」と気をもむ。(上山崎雅泰)
鳥栖駅は1889(明治22)年、九州鉄道が博多―千歳川仮停車場(鳥栖市)間の開通と同時に開業した九州初の駅の一つ。1903(明治36)年、現在の位置に建て替えられた。レトロな雰囲気で人気のJR肥薩線・嘉例川駅(鹿児島県霧島市)も同じ年の建築。鹿児島線と長崎線が分岐する要衝で、一日約1万3千人が利用する。
事故は10月19日朝に発生。長さ約3メートルの柱は花崗岩(かこうがん)の土台からずれ落ちてしまった。鳥栖駅によると、柱の梁(はり)を支える「木鼻」に幾重にも装飾を施した部分があり、もう一方の柱と釣り合わせる必要があるという。島良広駅長は「駅目当てで来られる熱心な方もおり、安全性と見た目を両立できるよう気をつけたい」。修復は27日ごろに終える予定だ。
老朽化が進む駅舎は建て替えも検討されてきたが、住民の声で見送られてきた。鳥栖郷土研究会の篠原真会長(84)は、日露戦争に赴いた兵隊が駅の正面をくぐって凱旋(がいせん)帰還したとの逸話に触れ「歴史の証人であり、現役で使われていることに意味がある鉄道の町のシンボル。しっかり直して」と話している。
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