
Vol.2 中国(1)
中国の各駅列車の旅に出ることにした。ルートは北京から上海。距離は約1500キロ。動組車と呼ばれる中国式の新幹線に乗れば10時間前後なのだが、各駅停車となると……。北京駅で時刻表を手に入れた。しかしそれを開いて呆然(ぼうぜん)とした。鉄道大国の中国。その列車はあまりに多い。この時刻表をどう読み下せばいいのか。文字は簡体字だが漢字だからなんとかなる。しかしどう選んでいったらいいのか……。

マイナス6度。北京駅前で時刻表との格闘。列車は速い順に動車組、特快、快速、普通快車、普通慢車に分かれていた。普通快車が1000番台から5000番台。番号が多くなるほど停車駅が増える。普通慢車が鈍行で6000番台から7000番台の列車番号があてられていたが……。

愕然(がくぜん)とした。北京発の列車は1日97本あるのだが、そのなかに鈍行は5本しかない。そのうち上海方面は2本。鈍行はこれほどまでに減っていた。なんとか列車番号6451番の廊坊行きを買った。運賃は4.5元、約60円。中国鈍行列車の旅がはじまった。


廊坊行きの鈍行列車に乗り込んだ。8両編成だが、客は1両目に集められ、後ろの車両にはほとんど乗客がいなかった。それでも服務員は検札にやってきた。後日乗った込みあう列車は検札なし。これでいいんだろうか。

廊坊行きの鈍行列車には、硬座と呼ばれる普通座席しかない。懐かしい緑色のビニールシート。暖房はないが、窓を閉めているので、それほど寒くない。中国の寒さにどんどん慣れていく自分がちょっと寂しい。

1時間20分ほど乗って廊坊に着いた。北京と天津のちょうど中間の新しい街。中国人向けの宿が駅前に並んでいた。この後の天津行きは普通快車だけ。結局、ここに1泊するしかなかった。北京から60キロほどしか進んでいない。上海にはいったいいつ着くのだろうか。

廊坊駅前には、吸い込まれそうな食堂街があった。1品10元、130円前後。ビールは冷えていないが1瓶4~5元、60円前後。食べて飲んでも500円もしない安食堂である。しかし料理の味にはうなってしまう。これが中国の底力?

店のテーブルが、店を営む家族の食卓になることは、中国ではあたり前。この店の娘は、店のテーブルでマニキュアで遊ぶ。ませた女の子だった。中国では化粧する女性が、都市から田舎へと広がっている。


天津まで乗った列車は空調付き。つまり暖房がある。車内はほどよく暖まっていたが、車窓には冬ざれた風景が広がる。河川ががちがちに凍り、木々は寒風に晒(さら)されている。天津に春は遅い。

天津駅に着いた。中国の駅は巨大だ。駅前広場はサッカー場がすっぽり入りそうな広さがある。その向こうに屹立(きつりつ)する近代的なビル。GDPが日本を超えるのも当然に思えてくる眺めが広がっていた。

天津駅で駅弁を買った。容器代を入れて15元、約200円。まずおかずを入れ、その上からご飯を盛ってしまう。日本人には考えられないことを、中国人は平気でする。はしでの掘削作業の果てにおかずが出てくる。ちょっとむかっときた。

天津から徐州まで、鈍行に近い4000番台の列車の切符を買おうとした。すると運行休止。4000番台の列車すら冷遇されている。切符が買えたのは 1000番台の硬臥という2等寝台。服務員が果物まで売りにくる。露骨なサービスの違いだ。

ビールまで服務員が売りにきた。ひと缶5元の「超干」。勘のいい人はわかるはず。英語に訳してみてください。そう、スーパードライのぱくりです。ビールに書かれていたキャッチは「享受非凡人生」。これには唸ってしまった。

車内で服務員が売りにきた駅弁。ひとつ5元。列車の端まで売り歩き、戻って来たときには3元に値下がりしていた。服務員は、それでも、「できたて弁当3 元」と声をからす。

天津から徐州へ。列車は中国の大平原をねばり強く進んでいく。途中で動車組という中国式新幹線や特快、快速に次々に追い抜かれていく。1000番台の普通快車が、いまの中国では鈍行ということだろうか。

http://doraku.asahi.com/earth/clickdeep/100423.html
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Vol.3 中国(2)
中国の各駅列車の旅は続く。徐州から上海までの約650キロの列車旅である。北京から徐州までの旅で、普通慢車と呼ばれる完全な鈍行を乗り継いでいくことは、中国では不可能であることがわかった。運行が次々になくなっているのだ。普通慢車より少し速い普通快車もかなり危うい。中国の列車は高速化の道をどんどん進んでいる。しかし僕らは粘った。なんとか数も減った普通快車を乗り継いで上海をめざした。

徐州から南京までは、1511番の普通快車の切符が買えた。残り5席だった。しかし出発は午前3時40分。駅の待合室で時間をつぶすしかない。駅の売店には土産用の犬肉、ウサギ肉、ラクダ肉が売られていた。徐州の名産なのか。


南京に到着し、僕らが乗った列車が越えた南京大橋を眺めにいった。中国では長江と呼ばれる揚子江に架かる長い鉄橋だ。僕らには乗ることができない中国式新幹線「動車組」列車が、スピード豊かに橋を越えていった。








南京を朝の6時14分に出発する1461番の列車で上海に向かった。反対側のホームには、白い車体の中国式新幹線「動車組」が2台も停車していた。上海まで2時間半。空席が目立つ。でも僕らには無縁の列車だった。

1461番の2等座席にあたる硬座に乗り込む。席に空きはなく、僕らの切符は無座。通路に立つしかない。しだいに疲れて、通路に座り込む。運よく、常州で降りる人がいて、座ることができた。助かった。



北京から上海まで、僕らが買った5枚の切符。そしてこの切符を買うために、苦労して読み続けた時刻表とメモ。このメモは切符を買うときの筆談にも使われた。鈍行列車の旅はこうしないと実現できない。

上海に着いた。そこには目がくらむような消費文化があふれていた。着飾り、化粧もうまい上海の女性たち。北京から乗り継いだ各駅停車で居合わせた、化粧っけのない女性たちを思い出した。

http://doraku.asahi.com/earth/clickdeep/100512.html
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中国の在来線は3+2の座席配列なのね。ずいぶん人が乗っているのに、車内は広々して見えますね。
( ´・ω・) KTXよりもゆったりしてますね。
お土産として犬肉を堂々と販売しているのは素敵。ウサギやラクダの肉もあるのね。
( ´・,д,・) 美味いのかしら。
しかし、さすが天下の朝日新聞。このような鉄道主体の平和な特集でも、捏造展示で名高い「南京大虐殺記念館」を盛り込んで反日への印象操作に勤しむなんて、抜け目がありませんね。
( ´-д-) 潰れてしまえばいいのに。せっかくの旅行記が台無し。
~ 以上 ~