
台湾新幹線、日本式根付く 安全性と正確性評価
【読売新聞】2016年05月20日
JR東海の海外向け次世代新幹線車両が台湾新幹線に初めて採用される見通しだ。
日本の新幹線技術が海外に初めて輸出された台湾新幹線は来年、開業から10年を迎える。
高い安全性と正確性を誇り、利用者数は右肩上がり。台湾社会にしっかり根付き、
7月には延伸開業も控えている。
「開業で移動時間が短くなり、便利になった。ほとんど揺れず、快適だ」
約160キロ・メートル離れた台北―台中間を仕事で頻繁に往復する男性会社役員(52)は満足げな表情を浮かべた。
女性会社員(42)は「(死亡事故があった)欧州や中国と違って日本製だから安心。
台風や地震の時以外はほぼ遅れがない」と評価する。
台湾独自のサービスも好評だ。グリーン車に当たるビジネス車では飲料、菓子を無料提供。
貸与されるヘッドホンで音楽も楽しめる。
台湾新幹線は2007年に開業し、在来線特急で4時間かかっていた台北―左営(高雄)間を90分に短縮し、1日生活圏に変えた。
15年の利用者数は5056万人と開業時の3・2倍に。
ライバルの航空便は、次々に撤退した。沿線の再開発も進むなど経済・社会に大きな影響を与えた光景は、
日本の新幹線と重なる。
車両は日本製、無線はフランス製、軌道のポイントはドイツ製――。
日欧の技術が混在した形で開業したが、「ソフトもハードも年々日本カラーが濃くなっている」(関係者)という。
発着の際に駅員がホームを指差し確認する動作は日本そっくり。
静岡県のJR東海の研修施設で安全教育を受けた台湾人の教官が若手を特訓しているからだ。
客室乗務員は、JR九州の特急「ゆふいんの森」号や九州新幹線で「おもてなしの心」を学んだ。
日本との関係強化は多方面に及ぶ。
新幹線駅構内にはファミリーマートやロイヤルホスト、モスバーガー、丸亀製麺、大戸屋などサービス業の進出も相次ぐ。
今年7月開業予定の台北―南港間の延伸工事は三菱重工業や東芝が担ったほか、JR東海が技術支援した。
台湾新幹線を運営する台湾高速鉄路(台湾高鉄)は三井物産やJR東海、JR西日本出身の専門家を雇用している。
「日本からはまだ学ばなければ」。高鉄の劉文亮協理は強調する。
台湾新幹線の経営は順調ではなかった。総事業費約1兆6000億円(4800億台湾ドル)の減価償却費や利子負担が重くのしかかった。
昨年6月時点で累積損失は1570億円(470億台湾ドル)に上り、経営破綻の危機に陥った。
当初の需要予測が過大だった事情もある。
当局は昨年末までに、高鉄への出資比率を2割から6割まで高め、累積損失を解消。
高鉄の運営期間を当初の35年間から70年間に延長し、償却負担を緩和した。
この結果、税引き後黒字が出せる経営体質に改善したという。
高鉄の劉維●会長は「(当局の)追加支援は今後必要ない。株式上場で市場からの資金調達も可能になる」と説明している。
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経営体質にも目処が付いたようで、新幹線導入の実例モデルケースとして活用してほしいと思いますね。
真剣な現場の態度が伝わってくると信頼性が生まれ、その能力を活用する意味でも、新幹線の世界展開での将来パートナーとして、車両や設備の製造から新型車両の設計まで台湾参加の事業に発展できるかもしれない。
これだから成功実績があると強いわ。

